連投失礼。
テーブルマナーについて書きます。
おそらくこういう話になると、「くちゃらー」とか色々みなさん言いたいことはお有りでしょう。
その中で今回は、「フォークの背にご飯問題」を取り上げます。
みなさん、フォークやナイフが出されるようなレストランで、ご飯をどうやって食べてます?
フォークの背にご飯を乗せて食べる人を批判する方もいますよね。
では何が正解なのでしょうか。
テーブルマナーの基本は、同席者を不快にさせない精神です、当たり前ですね。
一通り検索してみて、結構意見がバラバラなのが分かりました。
ただ、「ご飯をフォークの背に乗せるのはイギリス式」という記述は多数見られました、その辺りはどうなっているのか……
※ここからは私が調べた範囲で書くので、それをお忘れなきよう。
フランスでは昔からテーブルマナーはありましたが、イギリスではそうではなかったようです。
昔のイギリスでは王侯貴族でも、各人がてんでバラバラな食べ方をしていたらしいです。
で、ある時インドから偉い人達がイギリスに来ることがあって、晩餐会が開かれました。
インドからの客人は、みなさん同じマナーで召し上がっていました。
イギリス側は、バンラバラのランバラル。
誰がどう見ても、イギリス側はだらしなく見えたそうです。
そこで、「イギリス人もテーブルマナーを!」という空気が出来て、イギリス式テーブルマナーが作られました。
晩餐会での反省があったので、イギリス式は他の国のテーブルマナーよりも厳しいものになったそうです。
例えば、一度手にしたフォークやナイフは、やたらと持ち替えたり向きを変えたり置いたりしてはいけない、とかね。
ステーキが出たとして、左手のフォークをステーキの左端に下向きに刺し、その右側を右手のナイフで切り、フォークに刺さっている端っこを口に持っていく。
これが普通の食べ方です。
右手も左手も、そのままの体制を維持すべし、というのがイギリス式なのです。
(一度に全部を一口サイズに切ってしまうのは「母親が小さい子供のためにすること」ということでNGなのだそうです)
付け合せの野菜などは、左手のフォークで刺して食べます。
茹でたグリーンピースなんかはフォークで刺していられないし、フォークの向きは変えられないので、「フォークの背にナイフで押し付けて口に運ぶ」という食べ方をします。
日本が明治になって開国し、西洋文化を積極的に取り入れたときに、テーブルマナーはイギリス式をお手本にしたようです。
当然出てくる問題は、ご飯をどうやって食べるか?
そのとき、グリーンピースと同じでいいじゃないか、そうなったらしいです。
しかし不思議ですよね、フォークって「背に何かを乗せるための道具」じゃないでしょ。
実際、イギリス以外でフォークの背なんて使わない(使ってはいけない)のです。
私は「フォークの背にご飯」には強い違和感があるからしません。
私は平成の後半くらいからは、フォークの背にご飯を乗せている光景は見ていません。
子供の頃にそういうのはよく見ましたけど、「フォークの背派」は減少していると思われます。
原点に立ち戻って、テーブルマナーは同席者を不快にしないためのものです。
フォークの背にご飯を乗せれば当然不安定になるので、見ているほうがハラハラしますよね。
そこなんじゃないかな。
(もちろん、スムーズに食べられるのなら背でも腹でもいいんですけどね)
それと、カジュアルなファミレスが全国に広まったことで、そんなに堅苦しくしなくてもいいじゃん、というのもありそうです。
実際にどうやって食べているか、ということで見てみると。
1.左手に持ったフォークの背に 右手のナイフでご飯を乗せる
2.左手に持ったフォークの向きを変えて フォークの腹にご飯を乗せる
(フォークのみを使うか、フォークとナイフを使う)
3.左手のフォークを右手に持ち替えて フォークの腹にご飯を乗せる
4.最初から右手にフォーク 左手にナイフを持って使い 右手のフォークの腹にご飯を乗せる
5.フォークとナイフを置いて 右手でスプーンを持ってご飯を食べる
6.お箸をもらって全部お箸で食べる
と、みなさん自己流でやっているようです。
その中で、3.に関しては「フォークが左右を行き来するのはみっともない」という意見があります。
あるマナー講師の方は1.と3.は避けたほうがいいと書いています。
4.はやってみると分かりますが、慣れないとぎこちなくなります。
(ナイフを左手で使うのはちょっと怖い)
あらあら、どうしたらいいのかしら? ですね(笑)。
数年前にNHKでこのネタのアニメをやっていましたけど、どちらにしろ答えは出ないようです。
私は以前は3.をやっていましたけど、中年になってバカバカしくなって6.になっています。
高級なお店に行く機会はなくなり、ステーキのような切り分けないといけない料理はほとんど食べず、せいぜい披露宴程度の場でしか遭遇しない案件なので、お箸でいいやと思っています。
披露宴会場の冷めた安っぽい料理と下品な空気の中で気取ってもしょうがないでしょう。
街の洋食屋さんなら、普通にお箸が置いてありますしね。
今回記事を書いていて思ったのは、昔は洋食は高級なものであって、洋食店は特別な場であったことも関係するのかもしれないということです。
特別な場には特別なルールやマナーが存在するものです。
フォークの背にご飯を乗せるようなアクロバティックなことって、特別な場だからこそというのもあったのでは?
それを知らない人に対して「ふん、貧乏人が!」とか言っているキザな人がいそうな気がします。
というわけで、あとは一人ひとりの判断ということにします。
くれぐれも「◯◯が正解だ」というような喧嘩だけはしませんように、虚しいだけですから……
テーブルマナーということでもう少し。
ラーメン屋さんで、散蓮華((チリ)レンゲ)の側面からスープを飲むのはやめましょう。
これは先端から飲むのが正解です、側面からだと見ていて不快だし意味不明です。
散蓮華にしてもスプーンにしても、どうしてあの楕円形になっているのか、ちょっと考えれば分かるはずです。
「側面から飲んだほうがカワイイから」って?
分かってないですね。
最近のじゃなく、古いハリウッド映画なんて見ていると、食事のシーンがよくありまして、とても参考になります。
特に上流階級の食事シーンというのは、普段見られないものを見られて勉強になります。
スープをスプーンで飲むときには、スプーンを顔の正面から持ってきて、スープを口に流し込みながら柄を持ち上げる、それを華麗に繰り返します。
綺麗な女優さんがこれをやると、とてもいいのです。
スプーンの側面に口をつけ、スープをダラダラこぼしながら飲みにくそうにしているなんてことは絶対にありません。
テーブルマナーの本以外にも、こういう教科書もあるのです。
テレビのタレントさんは、散蓮華の横からスープを飲んだり、麺類をすぐ噛み切ったり、食事をするのに足を組んだり、箸で料理を口に運ぶときに下に左手を持ってきたりして、下品な方が多いですから参考にはなりません。
更に書くと、中華屋さん(所謂「町中華」)で出される散蓮華はスープ用なので、炒飯などには向いていません。
ちゃんとしたお店なら、ご飯用の散蓮華を出してくれます。
実際、炒飯は食べにくいですよね、アレって。
食事のマナーについて書きました。
私の書いたことが正解とは限りませんので、周囲の人達を不快にしないように考えて、一度ご自身を点検してみて頂けると嬉しいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。