スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。

後で怖かった話

以前、ちょっと変わった経験がありまして。
ずーっとそのことは覚えていて、ただどういう意味があるのかは知らなくて。
最近になって、人からその意味を教えてもらってゾッとしたという、今回はそんなお話です。

 

 

 

もう何年も前、休日にヒマだったので上野のアメ横をブラブラしていたことがあります。
その日は特に目的はなくて、なんとなくのブラブラでした。
アメ横は沢山のお店があって、お金がなくても見ているだけで飽きません。
こういうぼんやりとしたブラブラって好きなんですよね。

 

突然、前から来た男性に声を掛けられました。

おう、○○ちゃんじゃねーか!

私とは違う名前で呼ばれて、人違いをしていると思いました。
向こうは60代の男性で、小柄で小ざっぱりした身だしなみで、いかにも下町のおじさんがお出掛けしているという感じでした。
でも私は面白がって、適当に話を合わせて会話を続けました。

「どうしたよ、今日は?」

「ちょっとブラブラしてまして」

「なんだ、元気そうだな、俺なんてこないだ胃を全部取っちゃったんだよ」

「えっ、大変でしたね、もう大丈夫なんですか?」

「まぁこうして出掛けるくらいは平気だよ、あんたはどうだ?」

「いやー運動不足で太るばかりですよ」

こんな風に話しながら、向こうはいつ気付くかななんて思ってました。
バレたところで、こちらも人違いをしていたことにすればいいのです。

 

するとこの男性、競馬の話を始めたのです。

「おれはこれから馬券を買いに行くんだよ」

「へー、いいですね」

(私はギャンブルを一切やりません(笑))

「実はさ、関係者からの情報が入ってて、一日に1レースは事前に結果がわかるんだ」

「ほー、美味しい話ですね」

「だからほら、見てみな」

その男性、持っていたセカンドバッグの口を開けて、中を見せてくれました。
そこに入っていたのは、百万円の札束が二つ。
おいおいと思って、

「ダメですよ、こんな場所で見せちゃ!」

と手で隠すようにしたら、やっとバッグの口を閉めてくれました。

 

「どうだい、教えてやるから一緒に行かないか?」

ここでちょっとヤバそうだと思った私。
まず長時間一緒にいれば、人違いだとバレる確率は上がります。
それから、競馬をまったくやらないから、そんなことにお金を使いたくない気持ちもあります。
更に、こんな往来で金儲けの話、それもヤバそうなことを言う人間はろくなもんじゃないという思い。
大体、折角一人でお出掛けしているのに、他人と一緒じゃ台無しです。
この近くにある、焼き魚が美味しいお店で昼食をと考えていたのもあります。

「いやぁ、この後用事があるんで、今回はやめときます」

そう返すと、意外とアッサリと、

「そうか、じゃあな!」

と言って、その男性は去っていきました。

「失礼します」

と頭を下げる私。
内心、バレずに終わって良かったと思いました。
ドキドキの成りすましが無事に終わって、その後もお出掛けを楽しんで帰りました。

 

 

 

この話、たまに面白がって人にしていたのですけど。
普通は人違いに乗ったことを笑うだけなのですが、ある先輩から言われたのは、

「それってコーチ屋だよ」

でした。
ギャンブルをまったくやらない私は知らなかったことですけど、競馬場などではかなり当たり前にいる詐欺師だったのです。
wikiにだって載ってます。

親しげに声をかけて、このレースはこの馬券を買えば必ず当たるなどと美味しい話をして一度離れ、その通りに買って当たればやってきて「コーチ料をよこせ」と言ってお金を取ります。
もし外れたらそのままドロン。
「俺が買っといてやる」と現金を奪い逃げる手口もあるそう。

 

うひゃー!!
とんでもないのに引っかかりそうになっていた私。
どういう話になっても馬券は買わなかったと思いますが、騙すプロに素人が勝てるとは限らないし。
もしかしたら財布の中身を全部取られていた可能性もあります。


教えてくれた先輩は、

「俺は競馬場にはよく行くんだけど、しょちゅう『あれ、山ちゃんじゃねえか!』って言われるから、『山ちゃんじゃねーよ!』と追っ払うのに忙しいんだ」

とのこと。
そんなのに話を合わせていた私って一体……
余程鴨に見えたのでしょうかねぇ。
そして話を合わせる私のことを、あの男はどう思って見ていたのか。

 

みなさんもお気をつけください。

 


 

最後に、うちの可愛いメダカをご紹介。

うちのメダカ

このときは妙に大人しくて、三匹が寄り添ってました。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。