日経トレンディによる来年のトレンド予想によると、第一位は「肩掛けプライベートAI」だそうです。
日経XTRENDの記事 ↓
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01086/00001/
ネックスピーカーみたいなデザインのこの製品を首にかけます。
これにはマイクとカメラが入っていて、内蔵されたAIが状況を判断しユーザーにアドバイスを送るような製品だそうです。
例えば料理をするときに、手順を教えてくれたり。
移動するときの道案内をしてくれたり。
この製品の一つの目的として、スマホを見なくても済むことで歩きスマホを減らすということがあります。
なるほどねー。
私はこの製品は売れないと思いますが、みなさんどう思いますか?
なぜ売れないか、その理由の一つは画面がないことです。
スマホが大人気になった一番の理由はビジュアルでしょ。
画像や映像が見られない製品は売れないですよ。
しかもAIからのアドバイスは音声でしょ?
ならイヤホンは必須ですよね、周囲に人がいる場所で音声を出すわけにはいきませんから。
それでさぁ、イヤホンからAIの、あのたどたどしい音声を聞かされてもなー。
周囲がうるさければ「もう一度言って!」ってことになるだろうし。
スマホなら一発で分かる道順だって、「この先を右です」とかって言われても絶対に迷うでしょ。
そして最大の欠点は、AIに対するコマンドは音声だってことです。
ねぇ、周囲に他人がいる状況で、AIにコマンドなんて言えますか?
メガネ型の端末が出たときにも思いましたが、アメリカ人は平気かもしれないけど日本人には無理ですって。
うちにはGoogle Home Miniがあって、あとスマホにはCiCiを入れてますが、一人暮らしの自宅だから声を出せるわけであって、外出先でそんなの無理。
現実的なのは、メガネ型の端末と、セットになるコントローラーです。
メガネ型ならビジュアルを見ることが可能です。
もちろん目の前が見えなくなっては危険なので、透過度や表示するエリアなどの工夫は必要でしょう。
(動いていないときだけ透過度0の全画面表示を可能とするとかね)
音声を聴くためのイヤホンも付けましょう、骨伝導でもいいかも。
それとコントローラーっていうのはつまり、指で操作してAIにコマンドを送るためのギアです。
少なくとも日本人は、ボタンとかタッチパッドを指で操作するのが好きなのです。
(声で命令したいアメリカ人と指で命令したい日本人の差って何なのでしょうね?)
そしてその操作を極めて、フリック入力でとんでもない速さの入力をしたりするのです。
ポケベル時代のJKの、公衆電話のボタン操作なんて物凄かったでしょ?
だからコントローラーが必要なのです。
コントローラーの形態は、今のスマホの画面と同じでいいかな。
物理的なボタンよりも自由度が高いうえ、指を滑らせる動作が可能だからです。
ボタン+タッチパネルなら最強ですけど、あまり大きいのは邪魔になります。
慣れたらノールックで操作できて、ポケットに簡単に収まる大きさが理想です。
どうせならプレステのコントローラー的な自由なデザインにして、手にフィットして腱鞘炎になりにくいデザインでもいいんじゃないかな。
もしこんな製品が普及したら、まず猫背の人は減るのではないですか。
今猫背の人が増えてしまったのは、スマホは画面と操作部が一緒になっているからです。
操作する手を持ち上げると疲れてしまうから、画面が低い位置に来てしまうのですよ。
メガネに画像や映像が映るのなら、下を向く必要はありません。
ただ、街を歩く人々がみんな意識をメガネのほうに持っていかれて、ゾンビみたいになってしまうかもしれませんけど。
それで他人とぶつかって怪我したり、交通事故になったりってデメリットはあるでしょうね。
駅のホームから落っこちたり。
ただスマホよりはマシなのではないですか、前は見えるのですから。
メガネ型の場合は、こちらを向いているのにこちらを見ていない状況ができてしまい、色々な勘違いを生みそうなところが怖いです。
そしてメガネ型のメリットとして、実際に見えている風景に情報を混ぜ込むことが可能なことがあります。
道案内なんて、曲がるべき角を「ここですよ!」って、実際の曲がり角に図形を重ねて表示するのですから分かりやすいです。
文字の翻訳も、見えている文字の横か下に日本語で表示すれば分かりやすいし。
物の名前、植物の名前も、見えている物に重ねて表示させればいいし。
ただ目が疲れそうですけどね、そこはハイテクでどうにかしてください。
近視や乱視にも対応してくれれば最高です。
実は以前、SF小説の中でこれに似たギアは登場しています。
ウィリアム・ギブスンの『バーチャル・ライト※』というSF小説の中に登場しているのです。
※ギブスンの「橋三部作」の一作目。
『バーチャル・ライト』『あいどる』『フューチャーマチック』の三作が同じ作品世界の続き物になっている。
(サンフランシスコの金門橋が閉鎖されて、そこが一つの街になっている世界)
このSF小説の中に登場するのは、分厚くて真っ黒で透けていないサングラスみたいなギアです。
それをかけて見たとき、目の焦点が合っている物の情報がそこに表示される仕組みです。
1993年にもうこんなギアを考案していたとは、さすがギブスンです。
ちなみに「フューチャーマチック」は、ルクルトの古い腕時計の名前です。

ルクルトのフューチャーマチックは当時としては先進的な機構を搭載していたのでこの名前が付いたのです。
そしてこのSF小説の元々のタイトルは『All Tomorrow's Parties(オール・トゥモローズ・パーティーズ)』でした。
(作者がヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ(The Velvet Underground and Nico)の曲名からつけた)
小説を翻訳した浅倉久志が、原題は日本語では語呂が悪いと作者に提案したのが、作中に登場する腕時計の名前だったということですね。
(『あいどる』は「Idol」ではなく「Idoru」で作者は日本を意識している)
1980年代の前半、私が初めてウォークマンを買ってきたときに母に言われたものです。
「あんたもボーッと歩いてる人になるのかねぇ」
母からすると、ウォークマンで音楽を聴きながら歩いている若者はみんなボーッとしてるように見えたのでしょう。
今の私なら分かる気がします。
母は時々こういったことを言って、私の軌道修正をしてくれたのです。
最近は毎日、スーパーで袋入りのカット済み野菜を買って食べています。

ブロッコリー・スプラウトが入っていて、百円ちょっとで安いのです。
これを毎日食べていれば、野菜の摂取が足りないとは言われないでしょう。
気休め?(笑)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。