第四回です。
今回は自転車の素材についての話が中心です、知っておいて損はないですよ。
４．アルミにしときなさい
自転車のフレームの素材というと、アルミが多いです。
みなさんよくご存知のアルミ合金ですね。
安い、軽い、錆びない、加工技術がこなれていると、いいことずくめです。
フレームの寿命が比較的短いと言われますけど、我々ライトユーザーが気にする必要はないです。
欠点といえば、丈夫な金属だけにフレームがしならないこと。
金属のパイプの組み合わせで作る自転車のフレームですが、素材によってはしなるのですよ。
アルミは自転車のフレームとしては一番硬い素材なので、振動を体に伝えやすいのです。
これもライトユーザーが気にすることではありません。
（逆にいえばスポーツカーの硬いサスと同じように走行中のコントロールはしやすい）
なので、自転車を買うならアルミ製にしとけば安心なのです。
そば屋さんの出前で使っているクラシックな自転車なんかに使われているのは、クロモリという素材です。
正確にはクロムモリブデン鋼といって、鉄にクロムとモリブデンを配合した合金です。
ほとんど鉄だと思っておいて大丈夫です。
クロモリって、実は太平洋戦争のときの日本軍の鉄兜（ヘルメット）に使われていたのです。
クロモリといっても色々ありますが、日本軍の鉄兜は世界一高級な素材が使われていたと言われたりします。
南国に遺骨を探しに行った人たちが鉄兜ばかり見つけるのは、錆びにくく丈夫だからです（錆びても表面だけ）。
長所としては、比較的安いこともありますけど、その独特なしなりですね。
サスがなくても細かい振動をある程度は吸収してくれるから、長時間走っていても楽なのです。
そして手入れを怠らなければ丈夫で長持ちします。
欠点は錆びやすいこと、でも普通は錆びても表面だけですがね。
海沿いに住んでいる方は大変かもしれません。
もう一つは重いこと、これは素材が重いということよりも、素材の特性から厚めに作る必要がある（厚いから表面が錆びても平気）結果と言っていいでしょう。
この重さは、ツーリングをやる人たちにとってはメリットになります。
ここでフレームの重さの影響について書きましょう。
フレームにしてもホイールにしても軽ければ加速が楽ですし、登り坂も楽ですよね。
信号が多い都市部で走るのなら、軽い自転車のほうが楽です。
ヒル・クライムを楽しむ人たちなんて、愛車の軽量化に命をかけてたりしますし。
でも逆に、軽い自転車は慣性があまり働きません。
重い自転車はスピードに乗るまでは大変ですけど、一度スピードに乗ってしまうと維持しやすいということです。
だから田舎道でツーリングする人たちは、愛車を軽くすることに命なんてかけません（笑）。
※この辺の話は昔、有名な自転車店の技術者だった徳さんという方に教えていただきました。
ツーリング車のオーダーメイドをやってらして、とても気さくな方でした。
次はカーボンです。
カーボンは何といっても軽い！
カーボンは繊維を編んだような形状のため、細かい振動を吸収する特性もあります。
あと金属と違って形を自由に作りやすいため、空力とかを考えた独特なデザインのフレームもあります。
カーボンの欠点は高価なことと、破損したときが大変なことです。
ヒル・クライムをやっている人たちは軽量化のために何でもかんでもカーボン製にしたりしますけど、その出費は大変なことになっているようです。
あと、例えば対向車線の車が小石をはねてカーボンのフレームに当たると、簡単に穴が開いてしまいます。
その場合の修理はほぼ不可能じゃないかな、しらんけど。
ちなみに私の愛車もそうですけど、フロント・フォークやシート・ステーだけカーボンというフレームはよくあります。
振動が一番来る部分にカーボンを使うことで、価格は抑えながら振動も抑えるということですね。
チタンのフレームはめったに見ません。
というのも非常に高価だからです。
軽くて丈夫でしなりもあり寿命も長いのですけど、お金持ちしか買えないでしょう。
もしチタンが安かったら、みんなチタン製の自転車になるでしょうね。
ここまで、自転車についての豆知識を書いてきました。
一通り書きましたのでこの辺で一旦終わらせていただきます。
最後に一つだけ、ツーリングのコツをご披露しましょう。
自転車で走りにいくときに、近くだったり短時間ならいいのですけど、思い切って遠くへ行くときのコツです。
自転車で走る前に気にしなければいけないのは、風です。
風向と風速はサイクリストにとってはとても大事なことなのです。
もし向かい風がビュービュー吹いていたら、走るのなんて嫌になってしまうでしょ？
逆に追い風なら、どこまででも走れそうな気がします。
だから、走りに行く前に風を調べるのです。
自宅から出発して目的地まで走ってまた戻って来るのなら、目的地が風上だと楽です。
元気と体力がある前半よりも、疲れてくる後半が楽になるようにコースを設定するのです。
季節や場所によっては一日の前半と後半で風向きが変わったりしますよね、あれは利用できますよ。
もう一つは勾配です。
そうです、後半が下りになるようにコースを設定しましょう。
PCのGoogleマップでコースの経路を「徒歩」か「自転車」で引いてみると、画面の左側の一番下に勾配がグラフで表示されます。
このグラフをマウスでたどると、たどっている部分が地図にも表示されるのです。
これで勾配が分かるので、急坂は避けて一度引いた線を動かしてみたりして、一番勾配が少ないコースを見つけるのです。
そういう意味だと、まず輪行して自宅から離れた場所まで行き、自宅へ向けて一直線に走るやり方は楽です。
例えば奥多摩まで電車で登って、向こうで自転車を組立てて市街地へ走ってくれば、青梅まではほとんどが下り坂です。
例えば南風の季節に東京から横浜まで電車で行って帰りが自転車なら、ずーっと追い風になるのです。
輪行を後に持ってくることもできます、参考にしてみてください。
追記１
天気予報のウェブサイトは数々あれど、風の情報に詳しいところは中々ありません。
そういうときに頼りになるのがこちら。
スマホのアプリもあります、Windyですね。
拡大していくと、どこでどういう風が吹くのかがよく分かります。
あくまで予報ですが、参考にはなると思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
