私は今までに多くのスニーカーを履いてきました。
その中で一番好きなものが二つあります。
New BalanceのM1300とM1400です。
※ちなみにこの「M」はメンズモデルを指していて、モデル名としては「1300」になります。
New Balanceは元々は矯正靴のメーカーとしてスタートしています(1906年)。
1960年代からランニングシューズの製造販売を始めました。
New Balanceのモデル名が数字なのは、矯正靴を製造していた頃の名残と言われています。
これが覚えづらいんだな(笑)。
1300は1985年に発売されました。
当時の日本での価格は¥39,000!!
よく「スニーカーのロールスロイス」なんて言われたものです。

このカラーリングは「スティールブルー」と呼ばれている
ね、正直「え、これが?」って思うでしょ。
この地味なスニーカーがなぜ高いのかっていうと、いい素材をいい職人が手作りしていることによるそうです。
(実際、かなり長持ちした)
あとはソールに仕込まれた衝撃吸収材の「ENCAP」が高コストらしいですね。
※ちなみに1300はたびたび復刻されてきましたが、デザインはそれぞれ微妙に異なります。
この辺りはマニアがうるさいところですね(笑)。
1300が登場したとき、あのラルフ・ローレンが履いてみて、
「まるで雲の上を歩いているようだ」
と気に入って、いきなり百足買ったという伝説があります。
本当に百足買ったかどうかは知りませんけど、履き心地に関しては同感です。
あとホワイトハウスのスタッフは全員1300を履いてるとか、多くの著名人に愛されてきたモデルであることは間違いないです。
1300を履いてみて分かるのは、その快適さです。
別にランニングをしなくても、街歩きするだけでそれが分かります。
個人的に気に入っているのは、まるで裸足で体育館のマットの上を歩いているような感覚ですね。
以前登場したNIKEのエアマックスは、エアシステムにより衝撃吸収力と反発力を強くしていました。
まるで足の裏にゴムマリを付けたような感覚で、ランニングには適していると思います。
ただ、街歩きにはどうだろう。
常に下から押されているような感じがして、長時間だとちょっと疲れるのですよ、アレは。
その点1300はマットです。
柔らかく沈んで軽く反発するだけなので、長時間の街歩きでも足が楽なのです。
矯正靴のノウハウの蓄積もあるし、ENCAPってヤツがどんだけ優秀なのかってことですね。
しかもこの地味なデザインは、何にでも合うのです。
アメカジだってストリート系だって、1300を持ってくるとしっくりきます。
(例えばベージュのコッパンとか、オリーブのカーゴパンツとか、イメージしてみてください)
1300に慣れてしまうと、エアマックスなんてお子ちゃまのオモチャみたいに見えてしまいますよ。
まさに大人のファッション・アイテムですね。
私が1300を買ったのは25年くらい前だったと思います。
その頃アメ横の某ショップで二万円でした。
(アメ横は東京ではスニーカー激戦区)
高いけど、有名メーカーのスニーカーとしては標準的な価格です。
(当時の最新のエアジョーダンと同じくらい)
それが今じゃ、人気の高さと慢性的な品薄状態のために五万円から十万円(!)します。
中古でも二万円くらいかなぁ、買えやしない。
スニーカーも投機の対象となってます、この価格じゃショップの前に中国人が並ぶわけです。
とてもじゃないけど「是非履いてみてください」なんて言えませんね。
1400は1300の次に出る予定でしたが、それを飛ばして1500が発売されました。
1400は1300に似た作りなのですけど、きちんと作り込んでいったらコストがとんでもないことになってしまい、泣く泣く販売を中止したのです。
ところがそれをNew Balanceジャパンが持ち帰って調べてみて、出来の良さに感激して。
どうにかコストダウンできないかと研究した結果、ついに販売にこぎつけたというエピソードがあります。
1400の履き心地は1300とほとんど同じです。
1400のいいところは、カラーバリエが豊富なことです。
1300のスティールブルーもいいけれど、違う色のも履きたいな。
そういうニーズに応えてくれるのです。
例えばレッド。

あとグリーン。

私がかつて履いていた1400は、日本限定色のブラウンでした。

これ、よく見ると分かりますが、アウトソールが輪ゴムみたいなゴム色なんですよね!
歩いていると、分かる人には「おっ!?」って言われてしまう、お気に入りでした。
(偶然ショップで出会えて買えた、通っていたからこそ)
1400も1300と同じようにかなりのお値段になっています。
以上二点が私が一番好きなスニーカーです。
こんな高値が続くようだと二度と履けないでしょうけど、できればもう一度履いて歩きたいです。
そしてこういういいスニーカーは、本当はもっと手軽に買えるべきだと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。