2025年春のテレビアニメの中で、私がチェックしようと思っていた番組が出揃いました。
個々の感想を書きます。
・ボールパークでつかまえて!
プロ野球の球場を舞台に、ビールの売り子の女性を軸にして展開する物語です。
選手ではなく売り子とお客をメインに持ってくるアイディアに惹かれたのですが、中身はイマイチでした。
私がよく言う「予算少なめ系」ですね。
絵も演出もイマイチで、お仕事系の裏話が詳しく語られるでもなく、笑えるわけでもなく。
一応主人公のルリコをギャルな女性としておいて、実は裏では…… みたいな設定になっているのですが、それが面白く活かされているとも思えず。
ビールの売り子がお客の隣りに座ってしゃべっていても、そういう非現実を納得させる力もなく。
見ていて、きっとアニメの専門学校の卒業制作ってこんな感じなんだろうなーって。
そんなことを思ってしまいましたよ。
・男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!)
普通の学園モノのラブコメだろうと思って見てみました。
でもハズレでしたね。
冴えない男の子と、なぜか最初っから彼が好きでベタベタくっついてくるカワイイ女の子がいる物語です。
(この日葵(ひまり)という女の子がカワイイというのもただの設定であって説得力に乏しい)
これも「予算少なめ系」ですね。
私はこういうのを見て喜ぶタイプではないのでパス。
以前ドラマ化されていて、今回も番宣をよく見ていたので、大体どんな物語かは知っていて、ちょっと期待していました。
実際に見てみたら、意外と子供っぽい作品でした。
私はミステリーが苦手ですけど、それでもこの物語のチャチさは分かります。
警察官が事件現場でふざけているけど、ギャグに振り切った作品ではなさそうですし。
大富豪が出てくる割には、ゴージャス感が出てないし。
なんとも中途半端。
絵も演出も「予算少なめ系」だし、楽しめませんでした。
大富豪が登場するアニメというのはよくありますけど、それを絵で表現できているものは稀有ですね。
(宮崎駿は『カリ城』のときに困ってしまってゆで卵に逃げた)
たぶん作り手が本物の大富豪の世界を知らないのでしょう。
高い酒と言ってもドンペリしか知らないとかね。
これだったら文字だけの原作の小説のほうが楽しめそうです。
・LAZARUS
「あの『カウボーイビバップ』の」とよく言われている、ナベシンこと渡辺信一郎を監督に据えて作られたテレビアニメです。
近未来のアメリカを舞台に、人類の滅亡を防ぐために一人の行方不明の科学者を捜索するチームが組まれる、という物語です。
『ビバップ』のようなアクション物ですね。
初回はまず基本的な設定の説明と、主人公のアクセルの紹介がメインとなっています。
アクセルはパルクールが得意で身体能力が物凄いことになっていて、頭の回転も速いという設定です。
しかも正義の味方ではなく、終身刑の囚人です。
アクセルのアクションシーンは圧巻で、調べてみたらアクション専門のデザイナーがいるということです。
ナベシンとMAPPAが作っている「予算多い系」なので、スタイリッシュな作品になっていますね。
※こないだNHKで最近のアニメ業界のことをやってました。
『ルックバック』の押山監督の仕事場とかMAPPAとかが出てきて、最近のアニメ事情に疎い私には面白かったです。
この作品はアメリカの資本が入っているようですね。
そもそもがアメリカのCATV用に作られているのではないのかな。
で、アメリカでも『ビバップ』は人気があるから、「ああいうのを」というリクエストがあったのかもしれません。
映像的に凄く手間暇かかっている「『ビバップ』みたいな」作品ですけど、物語として面白いのかどうかは未知数です。
しばらく見てみます。
・ざつ旅-That's Journey-
一人の若い女性が日本全国あちこち旅して周る物語です。
主人公の女性はマンガ家で、一回大きな賞と賞金を取っていますが、その後はネームの段階で編集からダメ出しを喰らい続けてふさぎこんでいて。
この鈴ヶ森ちか(すずがもり ちか)というキャラが気分転換のために一人旅に出て、どうしたこうしたっていう話です。
たぶん『ゆるキャン△』みたいなのを狙った作品なのでしょう。
旅先の風景だったり泊まった旅館だったりを写実的に描いて紹介するような感じです。
でも主人公があまりいい人ではなく、感情移入できませんでした。
ちかがただ旅してるだけで、共感できず笑えもせず面白さも感じられないのがキビシイです。
こういう旅物だったりグルメ物のアニメやドラマは色々ありますけど、見ていて楽しい、面白い、笑えるっていうのは中々ないですね。
この『ざつ旅』の場合は作画があまり良くないし、現地で撮影した画像や映像を元にして描かれた背景も「そのまんま」って感じだし。
(アクスタを写り込ませた写真のようだ)
ちかに何かマニアックな拘りがあって、そういうウンチクが語られたらまだ良かったのかな? って思いました。
・アポカリプスホテル
未来の地球を舞台としたSFです。
ある原因で地球から人類がいなくなってしまい、ある老舗ホテルに残されたロボットたちがホテルを守って営業を続けているという設定です。
ですから登場するキャラは(第一回では)ロボットだけです。
長い間予約も宿泊客も0なのに、ロボットたちは律儀に働き続けています。
(人型のロボットは主人公のヤチヨだけ)
現実の銀座辺りを舞台として、街が荒廃して植物に覆われていたりするところは面白いと思いました。
ロボットたちのエネルギー源はどうなっているのか、毎日作っていると思われる豪華な料理の食材はどう調達しているのかなど、気になる箇所はありました。
ただ導入部の、人類がなぜいなくなったのかをニュース映像で説明して、その合間に正常だった頃のホテルの紹介動画を入れ込む流れは上手いと思いました。
竹本泉のデザインしたキャラがいいし、細かいところまでデザインされたロボットたちの絵もよく動きます。
この作品は、人類がいなくなったのに働き続けるロボットたちの悲しさとか、この後やってくると思われる人間以外の宿泊客との絡みのおかしさを軸に進んでいくと思われます。
ただ個人的には。
この作品の悲しさやおかしさが微妙にズレていると思ってしまいました。
説明が難しいですが、表で笑わせながら裏にある悲しみを出す演出が上手く機能していないのかなって。
見ていてつい笑ったり、つい泣いたりすることがなかったのです。
セリフが聞き取りにくい部分もありましたし、第一話の段階では私はノレませんでしたよ。
(ドアマンの行はクドすぎる)
そしてもう一つ。
マンガやアニメでこういう「荒廃後の世界」が流行っていることも気になっています。
東西冷戦時代には多数ありましたけど、もう時代が違っています。
それは単に物語をシンプルにして手間を省くための手段なのか、滅んでしまった世界の中で一人で生きていくほうが気楽でいいという感覚なのか。
私はこの作品より、『Lazarus』みたいに街があって人が大勢いるような作品のほうが好きですけどね。
・機動戦士Gundam GQuuuuuuX
最後は『ガンダム』です。
既に劇場公開されている作品ですけど、テレビアニメとしてこれから長い物語になるようです。
第一回を見ただけでは不明な点が多く、伏線も多数貼られていると思われ、「ファースト」を感じさせる作りでもあり、久しぶりに富野節を楽しめるような作品になっています。
そしてどうやらこの作品、「ファースト」と密接に絡むというか、パラレルワールドというか……
(第一話のサブタイトルが「赤いガンダム」って、おいおい(笑))
あまりロボットアニメを見ない私ですが、珍しく盛り上がれました。
どうも「ガンダム」と付くと、どこか二番煎じに感じてしまう作品が多いので、これにもあまり期待はしていなかったのですが。
主人公のアマテ・ユズリハはよく動くし、CGによるメカもよく動きます。
(ちょっと動きすぎという気もしますが)
設定やデザインも細かいところまで行き届いているし、描き方に質感も伴っているし。
第一話は目一杯情報を詰め込んでいますけど、テンポがいいからすぐ入っていけました。
あと意外だったのは、シンプルでマンガチックなキャラデザです。
こういう硬派なSFだと、リアル寄りなキャラデザが普通ですよね。
まさかと思って見ていたら、これもすんなり受け入れられました。
「ファースト」がそうであったように、この『GQuuuuuuX』も一話見ただけじゃまだまだです。
そして今後どうなっていくのかが楽しみになるには十分な第一話だったと思います。
昨日久しぶりに黒炒飯を作りました。

食べながら考えたのですけど、最初に玉子を炒めたら一回出して、炒飯が完成する直前に戻してあげれば黄色が映えるのではないかと。
いつももったいないから一個だけ使っていた玉子も、思い切って二個使ったりしてね。
次回やってみます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。