私はリーマンショックで職を失った後、三年間東京でタクシー乗務員をやっていたことがあります。
免許は一種しか持っていなくて、年に一回だけレンタカーを借りて運転を忘れないようにしていたレベルなので、色々苦労しました。
あの頃は私みたいに本来の仕事を失って入ってくる新人乗務員が多くて、みんな苦労していましたよ。
一番苦労したのは道ですね。
実際に仕事に就く前に、タクシーセンターで乗務員証を受け取るのに必要な研修と試験があって、その中の地理試験は東京で日々車に乗っている人でも難しいものでした。
私は街歩きが好きで自転車で走り回っていて、ある程度の土地勘はあったのですけど、それでもかなりキツかったです。
※それ以外にも適性検査やタクシーの営業に関する講習、トラブルが起こりやすい場所に実際に行ってみたりもするし、教習所に通ったうえで試験場で二種免許も取らないといけません。
それら全部を入社してから一ヶ月間で終わらせないと乗務員にはなれないのです。
※地理試験に関しては大手ほど手厚い対策を取ってくれていて、合格率も高かったです。
中小は落ちる人が本当に多かったのです。
今はアプリがあってナビに目的地が出ますから、かなり楽になったと思います。
私のときもカーナビは付いていたけど、地図データが古くてね。
埋立地のほうなんか行ったら海の上を走ってることにされたり、中央分離帯のあるところで右折しろって出たりして困ったことも。
それで私は当時持っていたiPhoneに地図アプリを入れて、ハンドルの右側のダッシュボードに取り付けて、シガーソケットから充電しながら使ってました。
百均でiPhoneの背面に付けるカバーを買ってきて、まずカバーをテープでダッシュボードにガッチリ取り付けて、そこにiPhoneをはめ込んでました。
(乗務が終わったらテープを全部剥がして持ち帰る)
あれはナビより余程役に立ちましたよ。
あとはポイントごとにお客様に確認すれば万全です。
今はアプリのおかげで、悪質な乗務員による遠回りも減ったのではないですか。
ナビのルートから外れていないか見ているだけでいいのですから。
昔は遠回りしてしまう悪いヤツが大勢いたのです。
その頃に使えたいい手があって、
「運転手さん、どういうルートで行きますか?」
と最初に聞くのです(近距離は除く)。
道なんて知らなくてもいいです、質問して「ああそうですか」で大丈夫。
「どちらにしますか?」と選択を求められたら、「お任せします」でいいです。
これを聞かれた乗務員は「このお客は道を知っているな」と思うので、遠回りはしないのですよ。
それでも悪質な乗務員がいなくなったわけではありません。
タクシーっていうのは密室で一人っきりでする仕事なので、ルールやマナーを守らないバカが多いのです。
もし困ったことがあったら。
まず必ずレシートは受け取りましょう。
そして乗った場所と降りた場所はメモっておくこと。
余裕があれば、ナンバープレートの番号もメモるといいです。
乗車日時はレシートに記載されています、会社名と車番もね。
東京の場合、レシートの最後にタクシーセンター(タクセン、都道府県ごとに違う)の電話番号が記載されています。
電話して、被害状況を伝えましょう。
このときに大事なのは、自分の名前や連絡先を必ず伝えることです。
それがないと、ライバル会社のいたずら電話だと判断されて処理されないからです。
タクセンはタクシー会社とは別の独立した組織ですから、仕返しなどの心配はありません。
タクセンは該当する営業所と乗務員に調査をして、通報内容が事実かどうかを確認して、もし事実ならペナルティが与えられます。
乗務員単位か営業所単位で営業停止になる可能性があるのです。
これを「タクセン事案」と言って、乗務員も営業所も非常に恐れています。
営業停止=収入減少ですし、仲間まで巻き添えにしたらどんなことになるか分かりませんから……
苦労は多いし収入は少ないしで大変でしたが、タクシー乗務員も今となってはいい想い出です。
その日の目標をクリアして営業所に戻る深夜や明け方は楽しかったです。
途中のコンビニでコーヒーやサンドイッチを買って、回送板を出して(フロントガラス内の電光表示(スーパーサイン)に「回送」を出すこと、昔風の言い方)、ラジオを聴きながらのんびり走ってね。
あの時間帯はどこも空いてますから、気楽なものです。
(一回の営業時間が法令で決まっていたので、それを超えないように回送にしていた)
毎回がそうではなかったのは当然ですけどね……
歩合給の仕事は大変なのです。
お米の高値は変わらないですね。
備蓄米放出の効果なんてまったく感じられません。
5kgで四千円ちょっとが普通で、カリフォルニア米が5kgで三千円ちょっとくらい。
どこかで悪い奴らが大量のお米を隠し持っているのだとしたら、取り締まれないものなのかと思います。
こないだ試しに、カレーをパスタにかけてみました。

美味しいですよ、決して不味いわけではありませんが。
やはりカレーはご飯でないとねー。
どうにかして、5kgで三千円にならないかなと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。