2025年の夏アニメの放送が始まりました。
前回書いた作品も放送され始めています。
今回はその感想を書きます。
『薫る花は凛と咲く』
あらすじ
見た目が怖くて本人をよく知らない人から恐れられている紬凛太郎(つむぎ りんたろう)は、実は全然危なくない善良な人間だった。
凛太郎が通うのは底辺男子校の千鳥高校で、すぐ隣にはお嬢様女子校の桔梗女子高校があったが、桔梗女子の生徒は千鳥の生徒のことを毛嫌いしていた。
桔梗女子の校舎の千鳥高校側の窓は、全てカーテンが閉められたままだった。
凛太郎の家はケーキ屋で、彼はよくお店を手伝わされていたが、そのことをクラスメイトには内緒にしていた。
ある晩、店番を任せられた凛太郎がお店に出ると、イートインスペースで大量のケーキを食べて満足げな和栗薫子(わぐり かおるこ)を目撃するが、凛太郎に驚いた薫子はお店から逃げ出してしまう。
母親から薫子が常連だと聞かされた凛太郎は申し訳なく思う。
翌日早くに登校した凛太郎は、自分のクラスの向かい側にある桔梗女子の校舎の窓のカーテンが開き、そこに薫子の姿を見つけてしまう……
よくある「ボーイ・ミーツ・ガール物」ですね。
しかも悪(ワル)とお嬢様という組み合わせも有り勝ちです。
第一回の持っていき方も定番と言っていいです。
「こうなるだろうな~」と思ったとおりに進んでいきます。
初回に山場を入れないといけないので、キャラの説明が不足しているのはしょうがないでしょう。
ただやはり、それぞれのキャラがまだ弱く、ノリにくいです。
つまり、まだ全然この作品の魅力が見えてこないということです。
次も見るかどうかは微妙。
作画のレベルは低くはないので、そういう意味で抵抗はないのですが。
おそらく薫子が、この作品の中で一番アニメ(マンガ)らしい変わり者キャラなのでしょう。
そんな薫子にどれくらい視聴者を引っ張る力があるかですね。
あと細かいことですけど、気になったことがあって。
殴られて頭から出血するような怪我を負ったら、危険なので病院で受診しなければダメだってことです。
アニメやマンガでは定番の表現ですけど、「ダメージは血を見せておけばいい」というような安易な表現はそろそろやめたほうがいいと思います。
銃で手を撃たれたキャラが、出血しながらも平気に立っていたりするのもね。
手というのは神経が集中している場所なので、銃で撃たれたらショックで気絶したりするそうですよ。
安全ピンの先をちょっと刺しただけでも飛び上がるほど痛いでしょ?
ビール瓶で頭なんか殴った日には、気絶するくらいでは済みませんしね。
暴力をリアルに描くことで、怖いこと&いけないことだっていうイメージを持たせないと。
もう一つ、これは書いてもいいのかなぁ……
凛太郎ってそこまで怖そうじゃないですよね、どちらかと言えばチャラい感じで。
少なくとも見ただけで震え上がるようなキャラではないです。
アニメやマンガの中の怖そうなキャラってみんなこうで、本当に怖そうなキャラデザにはしないと思います。
だから説得力がないのですよ、少女マンガはしょうがないとしてもね。



※以上三点の画像は『哭きの竜 麻雀飛翔伝 第六巻(作:能條純一)』より(笑)
『フードコートで、また明日。』
実は今期、私が一番期待していたのがこの作品だったのですが。
私は対象年齢層から大きく外れていることが分かりました。
何が面白いのか全然理解できなかったのです。
おそらく若者には受け入れられるのでしょうけど。
『Turkey!』
これも期待していたのと違う作品でした。
女の子が数人登場して、それぞれが定番のキャラで、おそらくそれぞれにファンがついて。
ただそういう作品でした。
第一話の話の運び方が下手で、見ていられませんでしたよ。
というか、今回放送されたものより前の作品があるのでしょうか?
というわけで、今期は私にとっては不作でした。
また九月になったら新アニメのチェックをしようと思います。
最後にトリビアを一つ。
寿司屋さんとか天ぷら屋さんって、庶民的なお店でも高級なお店でも、大概はお客の目の前で調理してますよね。
(回転寿司は除く)
料亭みたいに厨房が別の場所にあって、調理しているところを見られないお店は少数派だと思います。
でも不思議じゃないですか、一人数万円も取る和食のお店なら、和室に大きな座卓と背もたれに座布団に掛け軸という、美食倶楽部みたいなのが普通じゃないのかな。
実は寿司屋さんも天ぷら屋さんも、元々は高級なお店と庶民的なお店(屋台)に分かれていたのです。
お店は高級、屋台は下級でした。
で、まともな仕事をしてそれなりの収入のある人とか、東京の山の手に住んでいる人なんかは、屋台に入るのはみっともない恥ずかしい行為だっていうのが明治時代前期の常識だったのです。
だからそういう人たちが屋台に入るときには、コソコソ変装したりしていたのだそう。
それが明治30年代頃の東京で、「屋台こそが通の行く店」という風潮が生まれます。
上品な人が庶民的な屋台で立ち食いすることを喜んだわけです。
流行っていうのは不思議ですね。
あと明らかに格差があった、東京の下町と山の手の間の溝も徐々に埋まっていきます。
路面電車が出来たことで「足」ができて、山の手の人が下町に散策に行くようになりました。
上品な格好の人が下町のお店に入ることは可能ですよね、その逆は難しくても。
そういった風潮を受けて、お店の中を敢えて屋台のようにしたお店が大流行します。
お店は土間(靴を脱がない場所)にカウンターという構成です。
カウンターの向こうで料理人が調理をしていて、お客はそれを見ながら立って食事をしたり、そこに椅子を置いてみたりして。
高級で庶民が入れないようなお店がそういうことをやり始めて一気に広まり、昭和に入る頃には定番化していたのです。
ちなみにおでんは元々屋台で食べる下品な食べ物だったのが、これも明治30年代の東京において「通が食べるもの」としてお店が出来始めます。
店内の構成は、上に書いたお寿司屋さんや天ぷら屋さんと同じです。
私が虎ノ門で働いていた頃に、帰りのよく食べに行ったお店がこちら。
立ち食い寿司屋さんです。
小さいお店で、五人も入れば一杯です。
「おまかせ十貫(¥1,000)」が良くてね、寿司自体は小さいですけど十貫食べられてみそ汁も付いて。
目の前で大将が握って、寿司下駄に乗せてくれて、それをパクっと食べて。
中高年には丁度いい量だし、味もいいしお得でした。
私は賑やかな回転寿司より、サラリーマンがサッと寄ってサッと無言で食べていくこういうお店のほうが好きだな。
もし新橋に行ったら是非。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。