スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。スターは一個だけ付ける主義です。

声優志望者の実態?

私は2000年までは熱心なマンガとアニメのファンをやっていました。
その後それらからは離れてしまったのですが。
でも二十世紀には、そっち系の友人知人が結構いたのです。

 

友人知人の中には業界人も少しいて、まぁほとんどが無名でしたけど。
一人だけマイナーな雑誌で連載を持っていたマンガ家がいて、彼の作品は好きでした。
アニメの演出をやっていた人もいましたね。
実際に彼が絵コンテと原画を書いたTVアニメがあって、彼らしい演出だったから見ていて笑ってしまったことがあります。

 

そんな中で一人、声優がいました。
彼のことはFさんと書きますが、出会った頃は私もFさんも三十代でした。
最初はお互いが「集まってワイワイやるそっち系の仲間の一人」という認識だったと思います。
で、話しているうちに意気投合して、二人で飲みに行ったりするようになりました。

 

Fさんが声優ってことで、当然興味を持つ私。
飲みながら色々話しましたけど、Fさんは声優のことはあまり話したがらない感じでした。
だから私もあまり聞かないでおこうと決めました。
ところがある晩、Fさんがかなり酔って荒れてきてから、声優のことを語ってくれたのです。
記憶が不鮮明なので以下に書いたことは間違いもあると思います

 

 

 

Fさんは小さい頃からアニメやマンガが好きで、中学生くらいからアニメ誌も買うようになって、声優の学校の広告を見て自分も声優になりたいと思うようになったそうです。
それで高校三年生のときに、親に頼んで声優の学校の学費を出してもらったと。
声優の学校に入ると、自分と同じようなアニメファンが大勢いたそうです。
Fさんにとってはそれぞれの授業がとても楽しかったとのこと。
ところが一ヶ月二ヶ月経ってくると、同級生が段々と減っていきました。
授業をサボるのが結構いたらしいのです。

 

Fさんが言うには声優志望者の多くは、本当は受験勉強が嫌で、働くのも嫌で、何となく声優だったら楽だと思って入ってきているとのことです。
それで親にお金を出させて、小遣いももらって、それで学校に来ているから本気じゃないと。
授業でちょっと厳しいことを言われたりすると、嫌になってサボるようになって。
同じような仲間と学校の近所の喫茶店で待ち合わせて、おしゃべりして、たまにアニメ映画を観に行ったりして。
学校としては先に学費をもらっているのでお咎めなしだったらしい
まぁこれはFさんの言っていたことだから、どこまでが真実かは知りませんけどね。

 

 

 

Fさんは真面目に授業を受けて無事卒業しましたが、そこですぐに仕事がもらえるわけじゃないそうです。
そういう意味ではアニメーターのほうが就職率は高いらしい
それで声優の事務所がやっているレッスン場みたいなところ(?)に通いながら、バイトをするようになって。
バイトして、レッスンして、時々オーディションを受ける。
そういう生活になったらしいです。

 

声優のオーディションというのは都内のあちこちにある小さい録音スタジオでやるそうです。
当日は同じような声優志望者が大勢来る中で、セリフの書いてある紙(台本の一部分?)を渡されて、このキャラの役をやれと言われて。
一人ひとりが演じるのを担当者が聞いて、少しコメントをくれて、結果は後ほど連絡しますで終わって。
後ほど連絡が来ることはほとんど無かったとか。
Fさんは、プロの声優として仕事したのは数回だけらしいです。
そんな生活をしているうちに、バイト先でバイト長になったりして。

 

 

 

Fさんが荒れていたのは、どうやら同窓会に出席したことが原因のようでした。
三十代も半ばになってクラスメイトと再会してみたら、みんなそれなりに立派になっていて。
収入が増えて車を買ったり結婚したりしていて、Fさんとはまったく違う人生を見せつけられたそうです。
クラスメイトから聞かれても、Fさんには話せることなんてなくて。
声優の仕事なんて「してる」と言えるレベルではなく、ただ「長くバイト生活をしてきた中年」でしかなかったと。
そんなの話せるわけないと思ったそうです。

 

声優の仕事というのはある程度数が決まっていて、それを椅子に例えれば全ての椅子に先輩方が座っている状態だとFさんは語っていました。
そしてその先輩方の周囲には、椅子のどれかが空いたら座ってやろうと狙っている声優予備軍が数千人、数万人、取り囲んでいる状況で。
声優予備軍にはFさんのような中年もいれば、最近学校を出てきたようなのもいて。
しかも毎年、声優予備軍には新人が大勢入ってきます。
だから声優の仕事はほぼ得られず、声優の仕事だけで食べていけるのはほんの少しだと言うのです。
Fさんのお友達が言っていたそうですが、プロの声優はCA(客室乗務員)より競争率が高いから、日本一成りにくい職業が声優なのだそうです。

 

※女性の声優志望者の枕営業の話も聞きましたが、デリケートな問題ですしソースも不確かな話ですので割愛します。

 

それで最近は、Fさんと同世代の人達が声優になることを諦めだしているとのこと。

「でもさ、今更声優を諦めたところで、まともな仕事なんてないんだよ」

Fさんは愚痴ります。
バイト先でバイト長になれたのはいいけど、それを辞めて就職活動したってそう簡単にはいかないらしいのです。
結局Fさんには、車を買ったり結婚したりマンションを買ったり子供を作ったりする人生はもう訪れないのだと。
それで荒れてたのですね。

 

 

 

残酷な話です。
仲間と集まって飲んだりカラオケをやったりしている分には、Fさんはとても楽しい方なのですが。
そんな辛い経歴があったとは驚きです。

 

その後、私がアニメやマンガをやめてしまったことから、Fさんを含む当時の仲間たちとの繋がりは消えてしまいました。
Fさんのその後も私は知りません。
Fさんは私と同世代なので、今は六十代のはず。
はたしてFさんは、どんな人生を送ったのでしょう。
知りたいような、知りたくないような。

 

ここに書いたのはあくまでFさんが語ったことを私の記憶を元に書いただけで、どこまでが本当かは分かりません。
またこの話を聞いたときからもう三十年経ってますので、業界の状況も変わっていると思われます。
ここだけはご注意を。

 

 


 

 

モバイルバッテリーの危険性が報じられている昨今。
実は私もモバイルバッテリーを持っていて、でも全然使っていなくて。
ダイソーで¥400で買ったのですけど、出先で困るほど充電が減ったことってなかったのです。
それで長く放置していたのですが、心配になって。
掘り出してみたら、なんと少し膨らんでいたのです!
板状の製品だったのに、中央がやや膨らんでいて、明らかに異常で。
それで近所にある家電量販店へ持っていって回収してもらいました。
店員さんも「これはヤバいかも」と言っていましたよ。
みなさんも古いモバイルバッテリーとか充電池とか、一度チェックしてみてください。

 

最近はナトリウムイオンバッテリーというのが開発されて、これは釘を突き刺しても発火したりしない構造なのだそうです。

 

全然関係ないけど、氷山みたいな氷でオンザロック

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。