私は夏になると毎年考えることがあります。
八月になるとテレビでは、ヒロシマ・ナガサキや終戦を特集した番組をやります。
みんなして悲しい悲しいって言うけど、太平洋戦争って日本が始めたのですよね。
日本が戦争を始めなければ、ヒロシマ・ナガサキはなかったわけで。
それをみんなはどう思っているのでしょうか。
私の亡き両親は昭和一桁です。
太平洋戦争が始まった頃はまだ十代でした。
私は何回も話を聞いたのですが、戦争が始まった頃に反対したり嘆いたりする人なんて二人は見たことがなかったそうです。
逆にイケイケだったとか。
(父は北関東、母は東京)
日本はそれまでの戦争に勝ち続けてきたわけで、今度の戦争でも日本は勝って東アジアを支配下に置き、日本はもっと豊かな国になるはずだと。
それが共通認識だったそうです。
映画やドラマでよくある、戦争が始まったときに悲しむ人なんてほんの僅かしかいなかったわけです。
今の朝ドラ『あんぱん』では、主人公は開戦当時は小学校の先生で、戦争推進派として描かれたそうです(私は見てないですが)。
それが敗戦後に反省して、考え方を改める流れになっていると聞いて、私は安心しました。
それがリアルなのだと思います。
日本人は戦争を止めなかった。
開戦直前なら、戦争反対なんて言ったら逮捕されたかもしれません。
でもそれより前から軍部を監視し、暴走を止めるようなことを多くの国民がしていたらどうなったか。
そう考えたことはありませんか。
それとも日本人は根っからの戦争好きなのでしょうか。
敗戦したとき、日本人は「戦争は政治家と軍部がやったこと」「自分たちは被害者だ、責任はない」という態度でした。
そして戦犯が裁かれたことで、責任問題は片付いたという認識でした。
八月が来れば、原爆は恐ろしい、被害者は可哀想、悲しい、そんな声ばかりです。
ドイツのような、国を挙げての反省と再発防止もないですよね。
こういうのを無責任だと思いませんか?
私の父もそういう人間でした。
父はよく「今の世の中は間違ってる」ということを言っていました。
だから私は「その世の中を作ってきたのは父の世代だから責任は父にもある」と言いました。
でも父は冗談じゃないと聞く耳を持ちませんでした。
呆れましたね。
日本で暮らしてきた日本人が関係ないわけがありません。
父は山に籠もって仙人でもしていたのでしょうか?
日本では個人主義というのは、一人ひとりが勝手に生きていいという考え方だとされています。
でもアメリカでは違います。
自分の暮らす国や地域に十分貢献したうえで、代わりに自分たちの自由や権利は守ってもらう、それがアメリカの個人主義です。
だから政治に対する関心は高いし、大統領選挙となれば大騒ぎになるわけです。
日本じゃ選挙があっても投票率は低く、与党は首相を辞めさせようとかそんな話ばかり。
国民はただ厳しい生活に耐えるだけ。
一体国会議員って、何のためにいるのでしょうか?
これが私たち日本人の国民性なのでしょう。
自分たちの代表を決めて、あとは「善きに計らえ」で。
余程の間違いがなければ、言われたことに従うだけ。
順調なときはいいけど、状況が悪くなってくると「政治家が悪い」と文句を言って。
でも文句を言うだけで、結局泣き寝入り。
自分たちは大人しく従っているだけで、全ての責任は政治家にあって自分たちにはない。
私自身も含めて、なんだかなぁって思います。
近い将来、自衛隊が日本軍になって、海外の戦闘に参加することもあるでしょう。
そうなったとき、責任は私にもあります。
みんなにもあるのです。
もし日本が戦争になったときに子供たちから責められたら、私には謝ることしかできないでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。