スポーツにあまり興味のない私は、スポーツ観戦もほとんどしません。
スポーツ観戦の経験は0ではないですけど、例えばお金を払ってチケットを買うようなことは皆無です。
テレビの中継も同じで、熱心に見ることは滅多にありません。
父親は熱心なG党だったのにねぇ。
昔、派遣でソフト開発をやっていた頃の話です。
現場の企業の上に当たる企業のアメフトチームの試合があるとかで、チケットが回ってきて。
私が所属するチーム(アメフトではない、仕事のチーム)のリーダーが、私のことを誘ってくれました。
そこの現場は過去イチ厳しい現場で、最初のうち私は難しい仕事についていくことができず、リーダーから叱られてばかりいたのです。
半泣きになりながらなんとか頑張って食らいついているうちにようやく仕事をこなせるようになり、リーダーにも認められるようになったという経緯があります。
誘っていただいたのも、おそらく「ご苦労さん」という意味があったのでしょう。
夜になって二人で東京ドームに行き、アメフトの試合を観ました。
でも多くの日本人がそうであるように、私もアメフトのことはほとんど知りませんでした。
あの楕円形のボールを敵陣まで持っていけば点になるらしいと、それくらいなものです。
分からないけどいいや、現場の雰囲気を楽しめれば。
そう思っていたら。
なんとそのリーダーは、アメフトの審判の資格を持っていると言うではないですか!
なんで!?
詳しい経緯は忘れてしまいましたけど、アメフト経験者のようなガタイでもない人が審判の資格を持っていたとはね!!
大きな試合を観られて上機嫌なリーダーは、事細かに試合のことを(ちょっと興奮気味に)解説してくれました。
「今のは◯◯が▢▢したから△△になったんだよ!」
これは贅沢。
私はまるで天覧試合の天皇陛下みたいです。
「ふむふむ、善きに計らえ」
なんて言いませんでしたが、詳しい解説付きで観たので私でも楽しめましたよ。
途中、試合が止まる場面がありました。
観客のほとんどが、何が起きたのかが分からず呆然としていたのですけど。
そこでリーダーが、得意の解説を始めました。
「遠かったからよく見えなかったけど、たぶん◯◯が▢▢してファールを取られたんじゃないかな!」
「△△が✕✕しようとしていたように見えたんだよね!」
そのときです。
私は、周囲の観客が耳をそばだてていることに気付いてしまいました。
周囲の人達はこちらを向くことはなく、でも会話が止まっていたのです。
おそらくうちのリーダーくらい詳しい人が辺りにはいなかったのでしょう。
自分トコのリーダーが急に注目されてしまって、ちょっと可笑しかったです。
このときと同じようなことは、野球やサッカーでもありました。
上記の経験があって、競技に詳しい人と一緒に観戦すると楽しいことを知った私は、そういう誘いに乗るようになったのです。
また競技に詳しい人って教えたがりが多くて、私が何を聞いても嫌がらずに教えてくれて有り難かったです。
「あいつは高校生の頃にこんなことをやらかして」
なんて、いらぬ情報まで教えてくれてね。
それで考えたことがありまして。
野球でもサッカーでも何の競技でも、関係者はファンを増やすことに苦労していると聞きます。
だったら、テレビ中継のときに副音声で初心者向けの解説を流せばいいじゃないですか。
副音声は「サルでも分かる野球解説」です!
これは絶対にウケると思いますよ。
サッカーファンの彼氏に付き合って試合を見ているけど、ルールもろくに知らない女子とかいそうですよね。
世の中には私の亡き母のように、「一塁がダメなら三塁に走ればいいじゃん」という人もいるのです。
※これは、G党の父の横で長年野球中継を見続けてきた母がいかに野球嫌いだったかがよく分かるエピソードです。
後に引っ越したとき、母は自分用の部屋を確保して好きなテレビを見るようになりましたとさ。
初心者向けの優しい解説、絶対にいいと思うのですがね。
今のスポーツ中継って訳の分からない数字とか用語が多くて、それで初心者を遠ざけているようにしか思えません。
今回の話に出てきた現場は、仕事に慣れた後の私にとっては楽園のようなところでした。
だから撤退が決まったときには、凄く悲しかったです。
まぁ派遣なので仕方のないことですけど。
私がそこで働く最終日に、チームが送別会を開いてくれました。
「お疲れ様でした」ってことで、記念品までいただいて。
アメフトの審判の資格を持つリーダーからも、労いの言葉をいただいて嬉しかったです。
私にとってはとてもいい想い出です。
昨日は黒炒飯を作りました。
普通の炒飯の具にタマネギを小さく刻んだものを混ぜて、食感を賑やかにしてみました。

タマネギの食感が加わるとメリハリがついていいと思うのです。
普通の炒飯にもオススメですよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。