今から25年くらい前のことです。
※「今から25年前」って、四半世紀前のことなんですね。
自分が歳を取って、時間の感覚が若い頃とはまったく変わってしまったことを感じます。
十年一昔。
当時の彼女と週末デートをすることになりました。
JR鶯谷駅で待ち合わせて、谷中霊園に向かいました。
彼女が谷中霊園のそばにあるスイーツ屋さんに行きたいと言うのです。
それでまぁ、谷根千散歩とシャレこもうということで。

そのスイーツ屋さんはモンブランが名物とのことです。
(そのお店は既にありません)
行ってみると、お店の前に長い行列ができていました。
飲食店で行列することが嫌いな私でしたが、彼女のために並ぼうとしました。
すると彼女はスッとお店の中を見に行って、すぐ戻ってきてやめようと言うのです。
なぜなら、イートインがなかったから。
テイクアウトのみのお店だったのですね。
イートインでドリンクと一緒に楽しむつもりだった彼女の、リサーチ不足です。
正直ちょっとホッとしました。
それでお店から離れて歩き始めた二人。
どうやら彼女には第二候補があるようです。
それがカヤバ珈琲でした。

(↑ これは今の姿)
カヤバ珈琲は昔ながらの喫茶店で、2006年に一旦閉店しましたが、惜しむ声が多くて色々あって復活しています。
メディアでもよく紹介されていて人気がありますが、当時はまだそこまでではなかったです。
レトロで落ち着いた空間で、二人でコーヒーを飲みました。
彼女はお店の方に許可をもらって、店内を撮影していましたよ。
その後お店を出て、ぶらぶらと散歩する二人。
慣れないエリアで方角が分からないという彼女に、ボーイスカウト式の方角の求め方を教えてあげたりしました。
※別に私がボーイスカウトをやっていたわけではありません。
アナログ時計を水平に持って、回転させて短針を太陽の方向に向けます。
その位置で、短針と12時のインデックスの真ん中が南なのです。
私は近くにネコがいる喫茶店があると教えましたが、飲食物にネコの毛が入るのを彼女が嫌がったので却下。
その後は彼女が見たがったヘビ道(ジグザグになった小道、川の跡)を見に行ったり、小さいお店を覗いたりしました。
散々歩き回って疲れてきて、お腹もすきました。
それで早めの夕食にしようということになりました。
彼女はちょっと贅沢したいというので、割り勘を条件に(笑)うな重を提案した私。
それで伊豆栄に行くことに決めました。
上野でうなぎと言ったら伊豆栄でしょう。

中途半端な時間帯だったので、伊豆栄は空いていました。
それで二階の窓際の席に通された我々、ラッキーでした。
不忍池が目の前です。
桜の季節なら最高でしょうなぁ。
メニューを見るとさすが老舗というお値段です。
たしか二人してうな重の松をオーダーしたと思います。
でも松だってテンション上がりますよ。
二人でワクワクしていたとき、私は気付きました。
離れた席に、なんと小遊三師匠がいたのです!
おそらく荷物持ちのお弟子さんと二人で、テーブル席でうな重を食べていました。
私は彼女に小声で「小遊三師匠がいるよ」と教えました。

落語のことはほぼ知らず、『笑点』も見ていない彼女は小遊三師匠を知りませんでした。
でも最近落語に興味が出てきたみたいで、こっそり見たりしてました。
「『こゆうざ』ってどういう字を書くの?」
なんて聞いてきたりして。
そのうち小遊三師匠は食事を終えて、席を立ちました。
おかみさんらしき人が挨拶に来て、少し立ち話をしているのが聞こえてきました。
「そっからパラシュートでパーっと飛び降りて食い逃げしようかな、あははは!」
なんて冗談を言ってましたよ。
(伊豆栄はロビーが吹き抜けになっている)
彼女は、
「落語家なのにあんまり面白くないね」
なんて小声で言ってましたっけ。
こらこら、そういうキャラだから。
これは我々一般客に対するサービスだったのでしょう。
そのうち我々のうな重も来て、二人で堪能しましたよ。
お店を出た後は広小路のほうへ歩いていきました。
鈴本演芸場の前に来たら、小遊三師匠の名前が出てました。
「へー、こういう字を書くんだ」
なんて彼女が言ってましたっけ。
いつか二人で鈴本へ行こう、そんな話もしました。
でもその約束は果たされず仕舞いです。
シュクメルリ、また作りました。
今度はカレーライスみたいに盛り付けました。

具の切り方も大きくして、松屋っぽくなりましたよ。
ただご飯と直接合わせるよりは、独立した料理として食べるほうが合うと思います。
バターチキンカレーも作りました。
ここで復習しておけば忘れないと思いまして。

カシューナッツが切れていたので、おつまみ用の柿ピーからピーナッツだけ取り出して粉砕して使いました。
魯珈の齋藤さんもピーナッツバターを使ってましたし、ある物でいいのです。
(レシピに追記しておきました)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
