スプーキーじいさんって何考えてるの!?

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魚雷の出口

突然ですが、潜水艦ってありますよね。
潜水艦は敵を攻撃するとき、魚雷を発射します。
今回はその発射口の話です。

 

 

 

潜水艦って、昔からマンガやアニメによく登場してきました。
戦いの物語では使いやすいアイテムなのでしょう。
そして潜水艦といえば、魚雷発射シーンです。
私が子供の頃にマンガやアニメで見ていたのは、潜水艦の船体の側面の丸いフタがパカッと開いて、そこから魚雷がドーン!と出ていく絵です。

 

たとえばこれは宮崎駿が作った『名探偵ホームズ』の一シーンです。

アニメ『名探偵ホームズ』の「海底の財宝の巻」より
(初出:1984年)

モリアーティ教授が作った小型の潜水艦から魚雷が発射される瞬間です。
丸いフタが上に開いて、魚雷が出てくる直前の絵です。

でも大人になって冷静に考えたら、あれは有り得ないですね。
空中ならまだしも、水圧のかかる海中で「フタがパカ」は無理なのです。
あれをやるとしたら、物凄い強度のフタを物凄い力で開ける必要があるのです。
まぁ海面ギリギリの浅さなら分かりませんけどね。
プールにちょっと潜っただけで水圧でギュッと締め付けられるのに、あれより深いところで「フタがパカ」が無理なのはイメージ可能でしょう。

※『ホームズ』の場合はそういう理屈抜きに、絵的な楽しさでこうしたと思われます。

 

 

 

実際はどうなっているのか。
分かりやすい図があったので貼ります。

 

『軍艦雑記帳 上巻』著:森恒英 田宮模型

 

分かりやすいように線を足してみました。

『軍艦雑記帳 上巻』著:森恒英 田宮模型

三角形の図は、潜水艦の艦首を上から見ています。
魚雷が出てくる穴が上下(実際には左右)に二つある状況を示しています。
上側は今まさに、魚雷が出ていくところですね。
下側はフタが閉まっている状態です。

 

オレンジの丸はヒンジです。
青い線はフタとなる鋼板です、真上から見ているので線になっています。
腕時計の金属バンドの金具みたいに折れ曲がる板が、フタの役割をしていると考えてください。
下側はフタが折れ曲がることで閉まっています。
上側はフタが伸び切ることで開いています。
魚雷を発射するときは、このようにフタを開け閉めしているのですよ。
これ、意外と知られていなかったりします。

 

これは庵野秀明が作った『トップをねらえ!』の中の一シーンです。
宇宙戦艦エクセリオンの光子魚雷の発射管ですね。

アニメ『トップをねらえ!』の「第四話 発進!! 未完の最終兵器!」より
初出:1988年

静止画なので分かりづらいですけど、上の図に近い動きをしています。
上の図にあった「魚雷ガイド」まできちんと描かれていますね。
メカデザインをされた方はリアルな発射口をご存知なのでしょう。

 

 

 

ちなみに魚雷は潜水艦の専売特許ではありません。
駆逐艦巡洋艦など、海中に潜らない船にも魚雷を発射できるものは多数ありました。
発射する仕組みは様々で、まぁ大体は海面より上からドーン! と撃ち出して、海にザッパーン!と落とす方式ですね。

 

魚雷発射管の一例、こういう装置が甲板上に設置してあった

 

私が小さい頃に兄とよく遊んだゲームがありまして。
それがこちら。

『ニュー魚雷戦ゲーム』エポック社

懐かしい……
私はこの箱絵を見ていたので、船の上から魚雷が発射される様子は知っていたのです。
よく出来たゲームでした。

 

 

 

というわけで、また役に立たないトリビアを書いてしまいました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。