スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。スターは一個だけ付ける主義です。

『私スキ』とスキーブーム

1987年に映画『私をスキーに連れてって』が公開されて大ヒットしました。
よくテレビなどでこの映画がスキーブームの火付け役と言われますが、実際には劇中に登場するスキーバスは既に広まっていました。
この映画の数年前、私の大学の卒業旅行は苗場でしたし。

 

映画がブームを加速させたのは間違いないですがね。
未経験者にはハードルが高かったスキーというレジャーの、ハードルを下げる効果は十分にあったと思います。

 

私はこの映画は劇場では観ていなくて、レンタルビデオで観た口です。
面白いと思いました。
基本はラブコメ、そこにスキーを楽しむための方法が沢山登場して実に楽しそうです。
テンポが早いのもいいですね。
あと昭和の日本映画と明確に違うのは、暴力が出てこないこと。
この手の映画なら、男共の殴り合いのシーンはそれまでの日本映画では当たり前だったのです。
六本木の明治屋で買い物したりして、高級感もあったし。
美味しんぼ』の記事で書いたのと同じで、バブルで急にお金を持った日本人はこの映画を懸命に追いかけたのです。
色々な意味でよく出来た映画だと思います。

 

 

 

世はバブル景気の真っ只中。
私は社会人になって数年の、口だけ偉そうなバカ者でしたよ。
当然のように、冬になればスキーに行っていました。
本当に恥ずかしいのですが、フェニックスのウェアにロシニュールの板でね。
しかも身長が172cmなのに195cmの板なんて買っちゃってさ(笑)。
正直、スキーなんてレンタルで十分です。

 

冬になればあちこちでスキーツアーが組まれて、メンバーが募集されていました。
みんな一シーズンで4,5回はスキーに行ってたんじゃないかな。
会社のスキーサークルが企画するツアーの場合は、バスと民宿を貸し切りにした本格的なものでした。
夜に宿の前で餅つき大会したりして
ただ普通は仲間と4,5人で、というのが多かったと思います。
車を持っているメンバーがいれば車で、いなければバスで。
宿までパックになったバスツアーは安かったから人気でした。
私はスキー宅急便を利用していたから、小さいバッグ一つで行ってましたよ。
民宿でみんなで地酒を飲みながら年越しというのもありました。

 

 

 

バスツアーの多くは金曜日の夜に都心でバスに乗り込み、スキー場を目指します。
最初は明るい車内でワイワイやってますけど、深夜になると電気が消されてみんな寝てしまいます。
ところがいくらスキー場が遠いからって、朝までに着かないわけはなくて。
まだ暗い中でどこかの駐車場に着きます。
辺りは雪で真っ白。

 

最初、私はどこかの宿で横にならせてもらえるのかと思ったらとんでもない。
そのままバスの中で朝まで寝るのです。
そして明るくなると、どこかのホテルか旅館の食堂に連れて行かれて朝食になります。
この朝食が凄かった。
例えば、お茶碗にご飯、具がほぼないみそ汁、ハム1/2枚、野沢菜少し。
こんなのが当たり前だったのです。
明治屋で買ってきたワインなんて影も形もなく(笑)。
まさに「安かろう悪かろう」ですね。
女子にとってはこういう強行軍はしんどかったと思います。

 

 

 

スキー自体は楽しかったです。
ただ、どこへ行っても混んでいました。
リフトも食堂も激混みで、ゲレンデはすき間を探して滑るような感じで。
だからそのうち、マイナーな小さいスキー場に行くようになったりして。
更にその後はスキー自体に飽きてしまって、ゲレンデの隅で遊んだり、寝転んだり、ビールを飲んだりするようになって。
そんなこんなで、数年後にはスキーに行かなくなりました。

 

若者にとってはいいイベントだったと思います。
ゲレンデという普段とはまったく違う環境で、スキーウェアという衣装を着てみんなで遊ぶ非日常体験ですからね。
恋の花だってあっちでもこっちでも咲いてましたし。

 

 

 

ちなみに『私スキ』には、叶姉妹の妹さんが出ています。
当時は玉乃ヒカリという芸名で、主人公の隣の席のOLを演じています。

右が玉乃ヒカリ

あとこの映画に数曲が採用されて大ヒットした松任谷由実って、既存の曲を提供しただけなんですよね。
監督も原田知世ユーミンがいいと激推しだったそうで、よく聴いてから選ばれた曲というのが良かったのだと思います。
もし依頼した新曲がイマイチだったとしても、それを使わざるを得ないのだから。

 

この映画の原田知世は可愛らしかったなぁ。
これがなかったら、この映画もあれほどのヒットはしなかったのではないでしょうか。

たぶん当時の女子は、白のワンピースのウェアにニット帽にサングラスというのに憧れたことでしょう。
でもそのまんま真似したら笑われるし、なんて葛藤があったのではないですか?

 

 

 

個人的に、色々な想い出があるスキーブームと『私スキ』です。
もうスキー場なんて数十年間行っていないし、用具も一切ありません。
今は世間ではスノボが主流ですよね。
スキーもショートスキーばかりだそうです。
私はスノボはなぁ、やる気になれません。
両足を一枚の板に括り付けるのは恐怖ですよ(笑)。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。