スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。スターは一個だけ付ける主義です。

映画と私 19

今回取り上げるのは、私の中ではベスト5に入るお気に入りの映画です。

 

ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け』(1986年)

 

 

※残念ながら今回は画面写真はほぼありません。
 うちにあるソフトはLD(レーザーディスク)で、プレイヤーがぶっ壊れたままなので再生できないのです。
 映像系のいくつかのサブスクで観られますけど、有料です。
 十年に一回くらいテレビで流れたりしますので、良かったら観てみてください。

 

バブル景気が始まった頃に、PARCOが初めて出資した映画です。
上映館が少なかったのでマイナーですけど、中身は面白いです。
監督は山川直人、どマイナーですね。

 

山川直人は同姓同名のマンガ家がいますが、まったくの別人です。
 私は間違えてマンガ家のほうに会いに行ったことがあって、それで初めて知りました。
 マンガの山川直人作品もとてもいいのでオススメです。

 

 

 

一つのセットだけで面白い映画が作れないかということで、高橋源一郎の初期の三作品をベースにして作られた映画です。
高橋源一郎も今じゃ日本文学の重要人物ですけど、当時はゲテモノ扱いでした。
あんなもの映画になるわけないのですけど、それがなんとかなっているのです。

 

主演の三上博史は『私をスキーに連れてって』に出演するより前で、これも知られていませんでした。
おそらく予算が限られる中で、無名の俳優を採用したのでしょう。

 

ストーリーは…… 説明しようがないかな。
どこにあるのか分からない謎の店、スローターハウス
時代は現代らしい。
昼はカフェレストラン、夜はバー、小さなステージがあってライブもやります。
そこに迷い込んで来たのは、馬に逃げられ西部の荒野を彷徨っていたビリーザキッド三上)です。
そしてスローターハウスには様々な客が来て、不条理な会話劇を繰り広げていくのです……

 

 

 

出演者を書いておきます。

 

三上博史
真行寺君枝
室井滋
石橋蓮司
内藤剛志
戸浦六宏
加藤善博
石井章雄(ラサール石井
原田芳雄
塩野谷正幸
浅葉克巳
オーラ・ラニ
ゼルダ小嶋さちほ、高橋佐代子、石原富紀江、小澤亜子)
神戸浩
北林谷栄
海琳正道(三田超人ヒカシュー
山口晃
上村柚梨子(天光眞弓)
細川俊之
日比野克彦
遠藤京子
郷田ほづみ
鮎川誠
木内みどり
北村魚
南雲京子
伊藤与太郎
光永"GUN"巌
バカボン鈴木
チャバネ岩瀬
ライオン・メリィ
栗本慎一郎
井上明子
東千恵
小川盛子
奥村公延
マーク・ORIANI
オルグ・マテス
平田純一
立原繁人(徳井優
中村淳
坂本京美
ダチョウ倶楽部上島竜兵肥後克広、寺門ジモン、南部寅太)
三宅裕司
小倉久寛
永田耕一
八木橋修
石井桂子
今村明美
田上ひろし
山崎大輔
高橋修
三谷悦代
杉野なつ美
野添義弘
岩永新悟
おぐちえりこ
赤堀二英
北原明子
岸谷五朗
寺脇康文
山田幸伸
小野真一
大崎聖二
中村雅都
原育美
山中麻里
保坂広美
大沢直行
有薗芳記
アンティサ
井元優子
杉恵以子
チャイルズ磯野貴理子久留龍子茂原裕子
清水よし子
竹内都子
近藤芳正
佐藤望
安田和博
菅原裕謹
廣澤恵
西秋元喜
朝倉伸二
田根楽子
福島優子
新納敏正
原武昭彦
荒井孝
鮫島伸一
豊湧
築出静夫
田中尚子
石井光三
レオナルド熊
渡辺正行
小宮孝泰
フランキー・バロッカ
ポール・チェセカスキー
高橋源一郎

 

すみません、物凄い数ですよね。
今となってはビッグになっている人もチラホラ。
鬼籍に入られた方も……
でもおそらくほとんどの人はノーギャラだったのではないでしょうか。
これだけのメンバーが入れ代わり立ち代わり登場して、勝手気ままに会話を繰り広げていきます。
これでこの映画が普通じゃないのはご理解いただけると思います。

 

 

 

中心となるメンバーはスローターハウスのマスターと娘のテイタム、あとは六人の店員です。
店員は実は全員が用心棒なのです。
ビリィも用心棒として店に雇われます。

 

これが店のメンバーです。

中島みゆきはローラースケートを履いている)

左から。

宮本武蔵内藤剛志

104(石井章雄

サンダース軍曹(加藤善博

ビリーザキッド(三上博史

マスター(石橋蓮司

マルクス・エンゲルス戸浦六宏

中島みゆき室井滋

 

これだけでも中々のメンツですね。
役名はメチャクチャなのですけど、一応本人として演じています。
104(電話番号案内)の本人って一体……
サンダース軍曹だってモロ日本人が演じていますよ。
この辺の不条理さは、高橋文学に通じるものがあるかもしれません。
映画の中の多数の会話も、高橋文学っぽさで溢れています。

 

※この映画でビリーが使用しているのは、コルトSAA(キャバルリー?)ですが、実際にはコルトM1877(サンダラー)だとされています。
 それでなくても、あんな長銃身の銃をビリーが使っていたとは考えられません。

 

この映画のクライマックスは、店内でのゼルダのライブです。
ゼルダゼルダとして出ているという、ファンにとっては嬉しい仕掛けです。
もちろん口パク・カラオケですけどね
そしてなぜ用心棒が必要かというと、ギャングが来るからです。

 

 

 

ここまで読んだら、とても観ていられないくらいのダメな映画をイメージすると思います。
ただこれが監督の力量なのでしょう、楽しく観ていられて最後にはちょっと感動したりするのです。
その理由の一つは、全員が真面目に演じているからだと思います。
テレビのコントみたいに、半笑いで演じるような役者は一人もいません。
それと不条理な会話劇なのに、ベースには普通の筋書きがあって、そこに肉付けしたような映画ですから。
だからセリフはとんでもなくても、演技として気持ちを乗せることは難しくなかったと思います。
観てるほうもそれに引っ張られてね。
とても変わっているけど楽しめる、珍しい映画だと思います。

 

これ以上の説明は野暮でしょう。
もし機会があったら観てみてください。
不思議な映画体験ができるはずです。

 

なんとか見つかった予告編がこちら。

これで雰囲気は伝わると思います。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。