スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。スターは一個だけ付ける主義です。

サントラはオリジナルで

BS日テレで平日のお昼にドラマ『俺たちの旅』(1975~1976)の再放送が始まりました。
来年一月に新作映画が公開されるそうで、その宣伝でしょう。
今回は三本のスペシャルも放送される予定だそうです。
あと過去の地上波の再放送ではカットされていた部分が残っていたりして、気合いが入っているのかなと思います。
第一話でいきなりヨーコさんのおっぱいがそのまま出たりしてた ← 今の地上波では無理でしょう

 

本放送時に家族で見て楽しんでいたドラマです。
軽快なコメディかと思えば重いテーマも扱うドラマで、この二層構造がよかったです。
まぁ今見るとヘビー過ぎるかなと思いますけど。
オイルショックの頃だから、若者が就職できなくて困っている描写が多かったです。
昭和のドラマって、結構真面目でヘビーなのが多かったのです。

 

 

 

さてこの懐かしいドラマですけど、劇伴を担当したのはトランザムです。
トランザムは劇伴やCMソングの仕事が多かったが1981年に活動休止、今は復活しているらしい
サントラ盤も出ていますが、実はこのサントラは放送された音源とは別のものです。
レコード用に再録音されたもので、似ているけど微妙な違いがあるとか。
聞いた話だと、オリジナルの劇伴のマスターテープは行方不明らしいです。
ドラマのファンとしては、オリジナルの音を聴きたいものですけどね。

 

これと同じことが、最初の『ルパン三世』(1971~1972)にも言えます。
長らく発売されていたサントラ盤には、「山下毅雄オリジナルスコアによる『ルパン三世』の世界」とあって、再録音されたものだと分かります。
こちらは聴けば一発でテレビと違うことが分かるくらい違っていて、演奏者も違うのだそうです。
残念ですけど、マスターテープが行方不明なのでしょうがないでしょう。
苦肉の策として、放送されたVTRの音声トラックの、セリフ以外の音を収録したアルバムが出ています。
演奏がフルじゃなかったり、SEが被ったりしている

 

日本の場合は昔は、こういう大切な資料などの管理がいい加減だったらしいです。
テレビ番組は放送されてしまえばもう用済みで、再放送用のVTRがあればOKみたいな。

 

 

 

また以前書いた映画『2001年宇宙の旅』のサントラ盤も、長らく再録音盤でした。
これもよく聴けば、映画の音楽とは微妙に違っています。
ただ『2001~』の場合は後年、本当のオリジナル・サウンドトラックが発売されて良かったですけどね。
珍品では、小説版を書いたクラークが物語のクライマックス部分を朗読するアルバムもあったとか。

 

これも以前書いた映画『ブレードランナー』も同じで、ずっと売られていたサントラ盤は再録音盤で、ずーっと後になってオリジナルが出ています。
どうやら欧米では、サントラ盤はオリジナルでなくてもいいような空気があるらしいですね。
日本人が神経質過ぎるのかなぁ。

 

ブレラン』の場合は何年も過ぎてから、音楽を担当したヴァンゲリスが音源を編集して真のオリジナルアルバムを出しました。
映画の雰囲気を出すためにセリフやSEが一部使われていて、あれは無くても良かったかなーと思いますけど。

 

 

 

これもまた以前書いた、スペインのビクトル・エリセの映画『ミツバチのささやき』や『エル・スール』の場合は、サントラ盤自体が存在しないようです。
大好きな映画だけに、残念です。
『エル・スール』で使われた、グラナドスのスペイン舞曲集(の中の二曲)は、まったく別の演奏ならSpotifyでも聴けますけどね。
劇中で印象的だった『エン・エル・ムンド』は、近いものが見つからなくて。
『ミツバチ~』の劇伴は引用ではなくてオリジナルの曲でしょう。
それこそサントラ盤がないと聴くことは不可能です。
スペインに行けばレコードかCDがあるのかなぁ、あの映画のファンなら欲しがると思いますが。

 

『ミツバチ~』の主演のアナ・トレントが十歳くらいのときに主演した映画『カラスの飼育』の場合は、主題歌が有名なので聴くことは可能です。

※スペインのことわざで、「カラスを育てれば目をえぐられる」というのがあって、「飼い犬に手を噛まれる」と同じ意味だそうです。

 

Jeanette 『Porque te vas?』

これって当時のスペインで流行っていた歌謡曲のようなものだそうで、スペインでは『カラス~』を観に来た観客はこの曲が流れると一緒に歌っていたとか(二回かかる)。
可愛らしくて哀愁も感じるいい曲です。

 

私はジャネットの輸入盤CDを買って聴いていました、今はSpotifyで聴けます。
日本でジャネットのCDは何種類かあるのですけど、この曲のタイトルを『カラスの飼育』としているのはいかがなものか。
映画のタイトルをそのまま流用するんじゃねぇ!!(笑)
本当は失恋の歌で、「あなたはなぜ去っていってしまうの?」という意味だそうです。

アナ・トレント

 

 

 

テレビを見ているとCMで、昔よく聴いた曲が使われていたりします。
でもよく聴くと、オリジナルではないことが分かることもあります。
似ているけど別の演奏だなぁ、なんて思うことはあるのです。
これは、オリジナルを使うと結構な使用料を取られてしまうためで、無名のバンドにそっくりに演奏させたものを使えば出費を抑えられるらしいです。
セコいと思うし、一時期問題になっていました。

 

若い頃はCMで聴いた曲を気に入って、それが未知のミュージシャンとの出会いになったりしたものです。
音を聴いただけの音楽について調べるのは至難の業でしたよ。
ネットがなかったから、音楽に詳しい人に聞いたりしてね。

 

たとえば1987年のアリナミンVのCMで、デイヴ・ブルーベック・カルテットの『TAKE FIVE』が使われたときもそうです。
あのCMは当時の日本人に、強い印象を残したと思います。

これとは別に、窓の中に数人で立っているバージョンもあった

画面の端に書いてあるのが曲名なのかどうかも分からなかったですからね。
このCMは、その後私がジャズに手を出していくキッカケになったものです。

※CGもドローンもない時代だけにヘリコプターを飛ばして撮影したのだが、その騒音でクレームが殺到したらしい。

※このCMの最後のほうは尺が足りなかったのか、逆再生を使って映像を引き伸ばしている。

今はネットですぐに調べられますからね。
ラジオだって局のHPを見れば、曲名やアーティスト名が表示されていたりしますし。
便利になったものです。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。