スプーキーじいさんって何考えてるの!?

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巨人の星、魔球のヒント

巨人の星』といえば、梶原一騎川崎のぼるの原作マンガとテレビアニメが大ヒットした作品です。
今の若い世代は見たことないかもしれませんけど、中高年にとっては常識みたいに知られた作品ですね。
原作の掲載誌は少年マガジン、1966年から1971年までの約五年間。
テレビアニメはよみうりテレビ系で、1968年から1971年までの三年半(全182話)。
テレビアニメの多くが1クールの今となっては有り得ない長寿アニメです。

 

マンガのほうは先にちばてつやの『ちかいの魔球』があって、「同じ路線を」ということで編集者が梶原一騎口説き落として書かせたということです。
もし『巨人の星』がなければ、魔球物の代表作は『ちかいの魔球』になっていたことでしょう。
他にも『黒い秘密兵器(福本和也一峰大二)』など、魔球が登場する野球マンガは沢山ありました。

 

 

 

巨人の星』といえば、やはり「大リーグボール」でしょう。
主人公の星飛雄馬が開発した魔球で、一号から三号まであります。
これは現実では有り得ない、バッターが打てないような変化球のことです。
特に盛り上がったのは二号の「消える魔球」でしょうね。
雄馬が投げたボールは途中で消えてしまい、キャッチャーの手前で姿を表すという恐るべき魔球です。
見えないのだから打ちようがないし、当てずっぽうでバットを振っても当たらないのです。
マンガやアニメとはいえ衝撃的な魔球であって、エポック社の野球盤にまで「消える魔球」が搭載されたくらいです。

 

私はアニメを観ていましたが、「消える魔球」の謎解きで中盤は持ち上がりました。
劇中でも登場人物それぞれが謎解きを繰り広げるわけです。
なぜボールが消えるのか?

 

 

 

原理としては、まず飛雄馬の父の一徹が開発した「魔送球」があります。
戦争に行って肩を壊した一徹は、サードを守っていてもファーストまで投げるのが精一杯。
敵の選手は打球をサードに転がせば一塁は楽勝と知ってしまいます。
一徹はそれを阻止するために、一塁への送球が右に曲がってバッターランナーに当たりそうになり、その後急激に左へ曲がってファーストに届くような魔球を開発。
これを「魔送球」と命名します。
バッターランナーはボールを当てられそうになって怖くて避けてしまい、一塁には間に合わないという仕組みです。
ところが「魔送球」のことがバレてしまい、当たらないのなら恐れる必要なしとまた全力疾走するようになったバッターランナー。
そこで一徹は、時々直球を投げてバッターランナーに当てるようになります。
川上からそういう汚い手は巨人軍にふさわしくないと指摘されて、一徹は巨人軍を去っていったのです。

 

一徹の英才教育を受けた飛雄馬は、父の「魔送球」もマスターしていました。
そしてこれを縦に変化させることを思いつき成功。
マウンドからキャッチャーに投げたボールをまず落とし、地面スレスレを通った後にもう一度ホップして、キャッチャーミットに収まるような変化球へと仕上げます。
ボールが消えるのは、ボールの起こす気流によって地面から砂埃が舞ってボールを隠すから。

 

もう一つ大事なのは、飛雄馬がボールを投げるときに右足を高く挙げて、そのつま先で蹴り上げたマウンドの砂を投げた直後のボールがまとい、飛んでいく途中でばら撒くということです。
劇中で徐々に原理が暴かれていった「大リーグボール二号」ですが、この「投げた直後に砂をまとう」ことは中々判明しませんでした。
独自にこの原理を解明した一徹は、「青い虫が飛び、青い葉に止まる」と表現しました。

 

 

 

説明が長くなりました。
実はアニメのスタッフは、この大事な原理について最初っからヒントを出していたことが後に判明しています。
私もそれを知って驚いた口です。

 

アニメ『巨人の星』は、最初にオープニング、最後にエンディングと予告、その間が本編です。
本編の最初は短い動画の後にサブタイトルが表示されます。
この動画、最初は飛雄馬が高校生の頃の絵になっていました。
雄馬が巨人軍(「軍」ってなんだよ?(笑))に入ると、巨人のユニフォームを着た飛雄馬に替わります。
それが123話(「川上監督の新作戦」)でまた替わるのです。

 

※123話は大リーグボール一号がオズマに打たれてしまい、二号を開発しようと練習していた飛雄馬と伴宙太に対して、川上監督が対オズマの奇策を提案したものの飛雄馬がこれを拒否するエピソードです。短期間しか通用しない奇策に逃げるなど、一徹が知ったらただでは済まないという教えを飛雄馬は守ったのです。

 

観てみましょう。

 

マウンドの土を右足のつま先で蹴る

 

大きく振りかぶって

 

右足のつま先をマウンドに引きずりながら

 

頭上高く挙げて砂が舞う

 

そしてボールを投げる

これで分かりましたね。
雄馬が消える魔球を開発しようと練習していた頃に、このサブタイトル動画が使われ始めていたのです。
我々視聴者は飛雄馬が右足を真上に挙げる投球動作の奇抜さやカッコよさに見とれていて、マウンドの砂をつま先で蹴り上げていたことを見逃していたのです。
これを毎回見せられていたとはね……

 

やるなスタッフ。
アニメ『巨人の星』が始まった当初はスタッフのほとんどが野球のことを知らず、トンチンカンな作画を連発していたくせに~(笑)。

 

 

 

もし『巨人の星』が今放送されていたら、ネット上で考察合戦になって盛り上がったでしょうね。
あの『GQuuuuuuX』みたいに。
こういう謎解きって私も大好きです。

 

でも今回アニメ版を色々観てみたら、かなりヤバい作品だということもよく分かりました。
上に書いた123話の中の回想シーンで、子供の飛雄馬が練習でズルをしたことを見破った一徹は殴る蹴るで飛雄馬をボコボコにします。
これ自体もう地上波放送は無理でしょう。
そのときの一徹の顔がこちら。

 

鬼だ……

子供が泣いちゃうよ!
昭和だなー。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。