※今回はネタバレを含みますのでご注意ください。
藤子不二雄といえば、日本人なら知らぬ者はいないくらいのマンガ界の大巨匠です。
このペンネームが二人のマンガ家の共同ペンネームであることも有名です。
藤本弘、安孫子素雄。
とんでもない二人組ですね。
この二人は1987年に独立を発表。
藤本は「藤子・F・不二雄」、安孫子は「藤子不二雄A(丸付き)」となりました。
藤子不二雄がブレイクしたのは『オバケのQ太郎』(1964年)からです。
その後も大活躍だった…… わけではなく、実は低迷の時代を経験しています。
そう、世間に劇画ブームが起きて、二人のマンガは子供っぽいと言われるようになったからです。
ただA先生のほうは仕事の依頼が途切れなかったみたいです、ダークな作品がありましたからね。
その頃ヒマになってしまったF先生は、編集者から作品の依頼を受けます。
いつもの子供向けの絵柄でいいから、SFの短編を描いてみないかという話でした。
F先生がなんとか一本描き上げてみたら、これが大評判。
(『ミノタウロスの皿』(1969年、ビッグコミック))
それ以来F先生は、子供向けのマンガとSFの短編の両方を描くことになるのです。
そういった経緯で描かれたSF短編作品を集めた本が、いくつか出ています。
私が馴染んでいるのは、中央公論社の分厚い三冊ですね(以下は全てamazon)。
これ以外にも短編集は出ていますよ。
手塚治虫は60歳で亡くなっていますが、晩年まで「アイディアは売るほどある」と言っていました。
あれだけ多くの名作を世に送り出しながら、まだまだやれるぞと言えるその才能は物凄いです。
そしてF先生にも、これら短編を読んでいくと物凄い才能があったことが分かります。
そりゃ『ドラえもん』一つ取っても、一体いくつのアイディアを出してきたのだろう? ってほどですしね。
4コマ漫画の植田まさしのように、アイディア製造機が自宅にあったのかもしれません(嘘)。
F先生の数多くのSF短編マンガを読んでみると、ギャグに振った作品もあるしブラックユーモアもあります。
しんみりさせる作品もあるし、ハッとさせられる作品もあります。
そこに共通してあるのは、F先生による人間讃歌です。
人間は滑稽だし、愚かだし、未熟だけど、それでも人間は素晴らしいという想いが込められています。
これが単なるアイディアの開示であれば、読んでいてここまで感動することはないでしょう。
未完成な中に光るものがある、それが人間であると。
今読み返してみても、一々うならされる作品ばかりです。
しかも一本一本が短くて、これを引き延ばせばもっと長い作品にもできるのにと思わせてくれます。
こうしてアイディアを惜しみなく出せるというのが天才の証ですね。
あと私が思うのは、女性キャラが魅力的だということです。
あの子供マンガの絵で描いているのに、それぞれの作品のヒロインがいいのですよ。
その多くは真面目で賢くて、こういう嫁がいたらいいななどと考えてしまいます。
たぶんF先生と私の理想の女性像は似ているのではないですか?(笑)。
そういえば珍しく、下ネタで落として終わる短編がありました。
読み終わってズッコケましたよ、F先生~~!
その短編は『倍速』(1982年)といいます。

何をしてもどんくさいサラリーマンの倉札(くらふだ)は、見知らぬ老人から壊れた懐中時計をもらいます。
それは倍速時計といって、持っている人の速さをコントロールできるアイテムでした。
倉札がそれをなんとか直してみると、本当に時間の進み方が変わりました。
色々な場面で倍速時計を使って活躍する倉札。
その勢いで憧れの桜田さんのピンチを救い、あっという間に結婚、ハワイへハネムーン!
「おれは今や世界一素早い男なのだ!!」
そして最後のコマがこちら。

こらー!
なんちゅーオチ!
なんかF先生の短編を読んでいると、F先生って男女の馴れ初めとかをあまり重要なことだと思っていないのではないかと感じてしまいます。
「そんなの偶然と勢いだけだ」と言いたげでね。
もう一つ、令和の今こそ面白く読めたのが『女には売るものがある』(1976年)。

タイトルからしたら売春か? と思いますが、とんでもない。
これは未来の話です。
街を歩くオジサンに女性が声をかけます。
二人はラブホに入りますが、Hするわけではなくて。
オジサンは女性を相手に、徹底的に亭主関白を楽しみます。
背中を流させて、新聞を持ってこさせて、お茶を淹れさせ、うちわで扇がせて、タバコを持ってこさせ、マッサージをさせます。
低姿勢で甲斐甲斐しく尽くす女性。
時間が来ると支払いになり、女性は元の荒っぽい態度に戻るのですが。
そこへ警察官がやって来て二人は逮捕されてしまうのです。
取調室でオジサンは怒られて、女性は女性上位時代に逆行したと「売権防止法違反」で送検されてしまうのです。
いつの時代にも、威張り散らしたい男がいるってことですかね。
この作品の中で、風呂から上がってベッドで寝ているオジサンのところに女性が来ますが、
「ばかもの!! だれが金を払ってまでそんなことしたがるか!!」
っていうのには爆笑しましたよ。
これ、若い人たちには通じないのかもしれませんねー。
というわけで、藤子・F・不二雄先生のSF短編集のことを書きました。
興味があったら是非。
前にマ・マーのケチャッピーという商品のことを書きました。
茹でたパスタをフライパンで炒めて、絡めてからも少し炒めてから食べるのですが、あまり美味しくなかったです。
こないだはこれを、茹でたパスタにすぐ絡めて食べてみたのです。
こうすればフライパンを洗う手間が減らせますからね。


こちらのほうが美味しかったです。
もちろん一から作ったナポリタンのほうが美味しいですけど、これはこれで絡めるパスタソースと同じ感覚で食べられましたよ。
じゃあなんでフライパンで炒める必要があるのか……
酸味を飛ばすためでしょうけど、これはそのまま絡めることをオススメします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。