スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。

兵器・武器の間違いについて

日本では銃器の所持が基本的に禁止されていて、銃器や兵器に関する知識というのはマニア以外はほとんど持っていないと思います。
私は十代の頃にミリタリーが好きだったから、沢山の本を読んでいて多少の知識は持っています。
普段、テレビを見たり周囲の人達と会話していて気付く間違いについて書いてみます。

 

 

 

1.榴弾(グレネード)は爆炎で攻撃する兵器ではない

 テレビとか映画とかアニメとかって最近はかなりリアルになってきていますが、それまでは結構いい加減な描写がありました。
例えばアクションシーンで敵が手榴弾を投げてきたとき、それを投げ返してみたり、身をかがめるだけで無事だったり。
見てると、手榴弾がバーン! と爆発したときに爆炎が広がり、それに当たるとダメージを受けるような描写が多かったです。

※以前書いた「カリ城トリビア集」にも書きました。

これ ↓ は書いてないかな?

冒頭のカーチェイスシーンで、ハンバー・スーパー・スナイプから投げられた手榴弾がルパン達のチンクエチェントの前で爆発しますが、あそこの描写も間違いです。
榴弾は細かい金属片を高速で撒き散らすことにより、敵兵を傷つける兵器です。
だから手榴弾が爆発したら、その周辺は穴だらけになるわけです。
(逆に炎は上がらない)
チンクエチェントだって穴だらけになって、ルパンや次元も傷だらけになるのが正解。
それを、フロントガラスが割れただけで、次元が「あちっ!」って言って終わりっていうのはちょっとねー。

 

クラリスの部屋で不二子がマークⅡ手榴弾を使うシーンも同様です。

 

では、もし自分の近くに手榴弾が投げ込まれたら?
投げ返そうなんて思わずに、その手榴弾に足を向けて伏せて「高飛び込みの姿勢」を取りましょう。
榴弾から見た投影面積をできるだけ狭くするわけです。
破片が当たったとしても靴の裏なら一番ダメージは少なく済みますし、腕で耳を塞ぐことで鼓膜も守れます。
まぁそんな場面はないでしょうし、あってはいけないことですが。

 

 

 

2.リボルバーにサプレッサー(サイレンサー)は付けられない

 これはちょっと前に、アニメ『シティハンター』関連のネットニュースに出てましたね。
リボルバーっていうのは、西部劇に出てくるような「銃の中心部分に円筒形の回る部品が付いている銃」のことです。

 

円筒形の部分をシリンダーといい、この中はレンコンのような穴が開いていて、そこに弾を込めます。
左にある筒状のものが銃身(バレル)で、銃身と同一線上にある弾のお尻をハンマーで叩くことでプライマー(火打ち石)から火花が出て、パウダー(黒色火薬)に引火して大量の燃焼ガスが発生、その燃焼ガスがブレット(弾丸)を押し、ブレットはバレルの中を通って発射されるわけです。

このとき、シリンダーとバレルのすき間からもガスが出てきます。
無駄に思えますけど、シリンダーとバレルがくっついていると、そこにゴミが詰まってしまってシリンダーが回らなくなってしまうのですよ。
このすき間(シリンダーギャップ)は必要なのです。
リボルバーを撃つときには、このすき間付近に手や指を置いてはいけません。
高温・高圧のガスが横へ飛び出すからです。
(左手でこの辺りをつかんで撃っている描写も多い)

 

銃声というのは、燃焼ガスが周囲の空気を激しく震わせることで発生します。
(音速を超える弾の場合はソニックブームも銃声となる)
サプレッサーというのは、バレルから出てくる燃焼ガスを迷路のようなものに通すことで、この衝撃を減らしています。
オートマチック銃の場合はバレルからしか燃焼ガスは出ませんから、バレルだけ対策すれば音は小さくできます。
でもリボルバーは横からも燃焼ガスが出てしまうので、サプレッサーを付けても意味がないのです。

 

リボルバーにサプレッサーは付けられませんし、そういう製品もないと思います。
アメリカではサプレッサーの代わりに自動車のオイルフィルターを使ったりもするようですけど(構造的に同じらしい)、これもリボルバーでは無意味でしょう。

 

 

 

3.戦闘機の射出座席は椅子ごと飛び出すが座ったままで降りてはこない

 これ、アニメでよくある間違いです。
射出座席は英語ではイジェクションシートと言いまして、飛行機に何らかのトラブルが起きたときに緊急脱出するためのものです。
かつてはパイロットを守るためにコクピットごと飛び出す「ユニット型」もありましたが、今は椅子だけ飛び出す方式だけになったようです。

 

第二次大戦中は飛行機のスピードがそれほど速くなかったため、パイロットは自力で飛び降りていました。
ただそれだと尾翼にぶつかってしまうことがあるし、飛行機のスピードも速くなったので、戦後になって射出座席が開発されたのです。

大体こんな形をしています、背面には縦にレールが付いていて、そのレールを伝って上に飛び出すのです。
(下に飛び出す方式もあったが、それだと地上や低高度でトラブルが起きたときに脱出できないのでなくなった)
(今は飛行機が地上に停止している状態でも脱出可能)
細かい部分は省略して、緊急時に何らかのレバーを引っ張ることでスイッチが入り、座席の下の小さいロケットに点火して射出座席が上にドーン! と飛び出します。
キャノピー(窓)は射出座席が突き破る方式と、射出する直前に吹き飛ばす方式があります。

 

シートの中にはサバイバルのための諸々が入っていますけど、射出された後はパイロットとはおさらばして別々に降下するのです。
こんな重いものをパイロットのパラシュートで支えられるわけがありませんし、座ったままだと海面などに落下したとき危険です。

 

私がよく覚えているのは、TVアニメ『聖戦士ダンバイン』です。
後半で地上が舞台となり米軍が参戦した辺りで、脱出したパイロットがシートに座ったまま降下してましたよ。
楽そうですけどね。

 

 

 

思いつくままに三つ書いてみました。
興味のない人にはどうでもいい内容でしょうね。
下手にこういう知識を持ってしまうと、アラばかりが気になって作品に集中できなくなることもあります。
困ったものですねぇ。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。