スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。

マンガとマンガ家

1959年(昭和34年)の3月17日(火)、日本初の週刊マンガ雑誌となる「週刊少年サンデー」と「週刊少年マガジン」が創刊されました。
二誌が同じ日に創刊されたのは、小学館講談社の間で激しい競争が繰り広げられた結果です。
なにしろ日本初ですから、ここで勝ったほうが天下を取るってくらいの価値があったわけです。
価格についても子供が買うものですから、いかに安くするかってことで双方が探り合いをしました。
印刷所で刷り始めた「マガジン」の価格を見てから価格を決めた「サンデー」のほうが安くて、手塚治虫の連載も勝ち取っていた「サンデー」がここでは勝利します。

 

この二誌が登場するまでは、日本のマンガ雑誌は月間が主流でした。
まだアシスタントを使っていなかった日本のマンガ家にとって、毎週原稿を描き上げるのは不可能と思われてきたからです。
スクリーントーンもない、PCもない、そういう時代ですから。
アシスタントを最初に使ったと言われているのは手塚治虫で、超多忙の彼のところに藤子不二雄Aが来たのでお手伝いをお願いしたのがはじまりとか。

 

 

 

この頃の影響でしょうか、マンガというのは日本では「マンガ家本人が描かないといけないもの」というのが常識となっています。
自分のマンガの多くをアシスタントに描かせているマンガ家はダメだ、そんな作品に価値はない。
こう思っている人が多く存在するのです。
私が以前、ある大御所マンガ家の原画展を見に行ったときの話ですが。
多忙で有名なそのマンガ家の原画には、コピーを貼り付けたものがいくつもありました。
私は「こうやって手間を省いているのだな」と思ったのですけど、隣にいた知らないおじさんが「なんだよ、コピーを貼ってやがる、偽物だな」と吐き捨てたのには驚かされました。

 

これは読者だけではなく、マンガ家のほうでも同じことです。
テレビで「本人はマンガを描いていない、全部アシスタントが描いている」と暴露された某大御所マンガ家は、その番組に猛抗議して番組内でそれを自身が否定するVTRまで流させています。
私が聞いた範囲では、週刊誌連載をしているマンガ家でアシスタントを使っていない人はいないし、一部ではマンガ家本人は打ち合わせだけ出て、あとはアシスタントが全部描いているという話もあります。
でも本人はそれをひた隠しにしているとか。
また某大御所マンガ家はテレビ番組の中でマンガを描いているところを撮影させてアピールしていましたが、あんまり下手なので逆効果じゃないかと思ったものです。

 

 

 

この件、みなさんはどう思いますか?
何々、「マンガは手作りの作品なのだから、マンガ家本人が100%といかなくても半分以上は描かないとダメじゃないのか」って?
じゃあアニメはどうですか。
大勢の人達で作るアニメは、絵だって大勢で描いています。
「アニメは絵の量が多いからしょうがない」ですか?
じゃあバロック期の画家のルーベンスはどうですか。
(画家でありながら外交官や学者でもあった凄い人)
彼は工房に大勢の画家を置き、殺到する注文に応えて絵画を量産していたのですよ。
ルーベンスが多くを描いた作品もあった一方で、中にはルーベンスは署名しただけって作品もあったそうです。
そういう作品は無価値ですか?

 

私はね、マンガ家がまったく絵を描かなくても全然いいと思っています。
ポイントは、その作品の味わいです。
あるマンガ家が描いた作品が大人気になったとして、それはその絵柄やストーリーや雰囲気やキャラなどが好まれた結果ですよね。
そのマンガ家は頑張って、読者に好まれるマンガを作り出したのです。
素晴らしいことです。
そういう「マンガの味わい」を読者は求めていて、好きなマンガ家を追っていくわけです。

 

マンガ家はあとはその味わいを続けていけばいいだけです。
自分が描かなくても、同じように描けるアシスタントを養成すればいい。
作品を受け取った読者がずっと変わらずに楽しめているのなら、それを誰が描いていようと関係ないでしょ。
それとも、絵を見ただけでそれを誰が描いたのか、そこまで分かりますか?
(そんなのいしかわじゅんなどの一部のマニアにしか分からないことです)

 

うなぎの蒲焼を食べにいって「美味しいなぁ!」って思えたなら、それがどこ産のうなぎだっていいじゃないですか。
産地偽装などのウソはダメですが、食べて違いが分からない料理の素材の産地がどこだって関係ないでしょ。
結局満足したんでしょ?
無理に気分を悪くする必要がどこにあるのでしょうか。

 

 

 

さいとう・たかをは日本で初めて、プロダクション制を作り出したマンガ家です。
さいとう・プロダクションを立ち上げて、作品を分業で仕上げることで連載作品を安定供給することに成功しています。
ビッグコミックの『ゴルゴ13』を見ると、最後のページの下にスタッフ名が載ってますよね。
ああやって映画のように作品を作っているのです。
キャラの絵が上手い人、メカの絵が上手い人、ストーリーを作るのが上手い人、そういうのが集まってチームで仕事をしているのです。
(ここの出版部門がリイド社で、雑誌連載の作品でも単行本はここが出す。小学館の雑誌に連載している『ゴルゴ13』の単行本もリイド社が出している)
藤子F不二雄が亡くなった後も『ドラえもん』が描かれ続けているのも同じことです。

 

ゴルゴ13』を好きな人が、「さいとう・たかをが全部を描いていないのだからダメ」なんて言うわけないですよね。
合理的なのです。
本当に問題になるとしたら、よく見たら絵柄が違っていたりする初歩的なミスだけでしょう。
そういうグッズとかって、なんだか悲しくなりますよね。

 

 

 

ちなみに、「サンデー」の小学館と「ジャンプ」の集英社は同族企業です。
小学館から娯楽雑誌を作る役割で独立したのが集英社です。
独立っていうか、筆頭株主小学館ですけど。
あと「花とゆめ」の白泉社もこのグループ(一ツ橋グループ)で、他にも数社あります。

 

週刊少年ジャンプ」を創刊するときに、既に「サンデー」を出していた小学館にサポートを依頼したらしいのですが、小学館側が断っています。
同じグループ内での食い合いになるのを嫌がったのでしょうね。
そういう関係性があるため、「ジャンプ」は「連載作品は載せず、読み切りのみ」というスタンスを取りました。
実際には連載作品が掲載されているのですけど、それぞれのマンガの最後に「つづく」と書かず、毎回「第何話・終わり」と書いているのです。
豆知識でした。

 

もう一つ。
さいとう・たかをの家庭のことを描いたマンガがありまして。
描いたのはセツコ・山田というマンガ家です。
このセツコさん、実はさいとう・たかをの元奥さんなのです。
そしてそのマンガのタイトルが……『ゴルゴさんち』!!
いいセンスですねぇ(笑)。

 

 


 

 

牛めし松屋は続々と新メニューを出しています。
店舗限定の試験販売メニューも多くて、私の生活圏にその提供店舗がないと食べることは難しいです。
普通のメニューでも、期間限定メニューがしょっちゅう登場しますしね。
振り回される私なのです。

麻婆カレー

店舗限定メニューはこちらのページで確認できますよ。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。