スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。

私の好きな音楽 5

「私の好きな音楽 4」で書いたオフコースのことでもう一つ。

オフコースの中心メンバーだった小田和正鈴木康弘のお二人は人気がありました。
鈴木さんの場合は長身でハンサムで、作る曲もギターもいいし、人気があるのは分かります。
ただ一部で、鈴木さんの曲を嫌う女子もいたのです。
その辺りのことを書きましょう。

 

 

 

鈴木さんの曲の問題点は、歌詞です。
曲やギターや歌は良かったとしても、歌詞に引っかかるファンは結構いたと思われます。
どういうことか、例を挙げてみます。

 

まずは鈴木さんが書いて歌った曲、『この空にはばたく前に』です。
歌詞はこちら ↓

これは恋人が別れていく情景を彼氏の側から描いたものです。

 

問題点を引用して説明します。

おまえはいつも 私につくしてくれたけど

その言葉には やさしさが足りない

まず彼女のことを「おまえ」呼ばわり。
しかも「つくして」って、男尊女卑がそのまんま入ってますね。
更に「やさしさが足りない」って、彼女に母親の代わりになって欲しいということでしょうか。

 

季節のない東京は 乾いてゆくばかり

鈴木さんのこういうところが薄っぺらいのです。
所謂こたつ記事と同じで、実際には東京の四季を肌で感じていないとしか思えません。
小田さんはこういう描写が上手で、情景をイメージしやすくなっています。

 

彼女とケンカ別れしそうな彼氏が、彼女のことを悪く言っておいて、次はこうです。

お前はもう自由さ まだ若いから

これはまぁ分かりますけど、次がこうですよ。

遅くはないさ 今すぐ翼をみがいて

新しい愛を胸に この空にはばたけ

えっ!?
何を言い出すかと思えば。
「新しい愛」って、彼女にはもう新しいお相手がいるってこと?
「翼をみがいて」「この空にはばたけ」って、何故急にロマンチック?
合わなくて別れるのに、こんなお節介いらないです。
仕切り屋なのか、彼女にとっとと遠くに去って欲しいということか。
どちらにしたって夢見過ぎで、この彼氏がダメ男なことは違いありません。
こんな歌詞の曲を聴いて、いいと思えない女性がいるのは理解できるのです。

 

 

 

あと細かいところだと、鈴木さんの『季節は流れて』。

学生時代に学内にいた素敵な女性に片思いしていた男性の歌です。
告白できないでいると、その女性は素敵な男性と付き合い始めてしまいました。
そしておそらく数年後に、当時の仲間がいきつけのお店に集まって思い出話に花を咲かせていて、主人公はその女性に電話をかけて誘い出します。
女性が当時付き合っていた男性と別れてしまったことを主人公は知っていて、電話でこう言います。

いつごろあいつとわかれたの 詳しくは聞かないから

うげっ!
こんなデリカシーのないこと、よく言えますね?
自分はただの学生時代の友達なのに、「いつごろあいつとわかれたの?」なんて聞くものじゃないし、「詳しくは聞かないから」ってさぁ、いくら何でも興味本位丸出しじゃないですか。
私なら絶対に聞けないなぁ、向こうから話したとしても止めるし。
この主人公がこの女性と付き合えなかったのも当然です、無神経過ぎます。

 

 

 

そして極めつけはこの曲、『変わってゆく女』です。

これも恋人が別れていく情景を彼氏側から描いた曲です。
もうツッコまれることを前提に書いたとしか思えない歌詞ですね。

うすい唇 ひそめた眉

おまえは急にこざかしい女になったね

これだけ読むと彼女のほうに問題があるのかな? と思いますけど。

たった一度きりのあそびのつもりでも

いきなり私を責める 裏切りだなんて

つまり、この彼氏が浮気をして、彼女が嫌になって別れる曲だったのです。
そして次にこうですよ。

粋な話じゃないか 好きなのに別れていく

おまえはもう一人でも生きていけるだろう

男はみんなあそび好き

この曲を聴いて、女性が嫌がらないわけはないですよ。
こんな内容なのに、タイトルは『変わってゆく女』って、どういうことですか?

 

 

 

鈴木さんの詞によく出てくるのは、「彼女が望むのなら別れも受け入れる」という話です。
これも考えてみればおかしな話で、一見彼女の自由を尊重するように見えますが、自分の彼女の心変わりにさえ気付けない哀れな彼氏の姿が見えてきてしまいます。
お隣りさんの飼い犬じゃないのだから、いつも彼女のことを気にして、些細な変化に気を揉むようでなければダメだと思うのです。
自分の好きな彼女が急に「別れて」って言ってきたら、普通動揺しますよね。
そうじゃなくて「うん、いいよ」って言えてしまうとしたら、薄情な男だってことです。
愛情なんて本当はなくて、「釣った魚に餌はやらないタイプ」なのでしょうね。

 

 

 

上に書いた「こたつ記事」的な歌詞は他にもあります、『INVITATION』です。

彼氏が彼女を連れて舞踏会へ行くという曲です。
舞踏会」ですよ?
一体どこでやっているのやら。
非現実的な世界の中で、彼氏はこう言います。

おどりなさい あなたの好きな人と

今夜だけはあなたは別の人

つまり、彼女を自由に泳がせて憂さ晴らしをさせる曲なのです。
そして最後に彼女は言います。

何故 ほかの女(ひと)といちども

踊らなかったの

うへー!!
ドッグランに愛犬を連れて行った飼い主みたいな彼氏ですね。
他人と遊ばせて彼女のストレス解消をさせて、楽してる彼氏なんて嫌です。
自分で頑張って彼女を癒やしてあげるのが彼氏の役目ではないのでしょうか。

 

 

 

最後にこの曲、『潮の香り』。

面倒くさいからザッと書くと、彼氏が一人でヨット遊びを楽しんで、港に帰ってくると彼女が車で迎えに来てくれているというお話です。
最後に、

明日はあなたと海へ出よう

となって終わりますけど、これもどうなんでしょう。
彼女をほったらかしにして、自分はヨット遊びに興じて、彼女に迎えに来させる男ってのは……
それって歌にする必要あります?
どうせなら、翌日彼女と二人で海に出た話を書くべきだと思います。

 

 

 

オフコースが現役だった頃、私の周囲の同世代の女性達から「鈴木さんは嫌い」という話を数回聞いたことがあり、その話がずーっと私の頭の中に残っていて、今回の記事になりました。
令和の今、これらの曲を若い人達に聴かせたら、どういうリアクションが見られるか。
私は鈴木さんがわざとダメ男を描いたとは思っていなくて、鈴木さんの持ち味なんだと思ってます。

 

鈴木さんに比べると小田さんの歌詞は、具体性をわざと低くして、聴く人によって自由に解釈できるように書かれています。
冷静に歌詞を読んでみると、松任谷由実などの具体的な描写が多いアーティストとはまったく違うことに気が付きます。
ただ、登場人物の心情については響く言葉でしっかり描いているから、心に残るのだと思います。
同じグループの二人がこうも違うとは、面白いものですね。

 

 


 

 

松屋のガパオライス(¥590)、食べてきました。

タイ料理のガパオとは別モノですけど、この価格でこの味なら(名前はどうでも)いいと思います。
期間限定ですのでお早めに。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。