スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。

映画と私 4

(タイトル編集しました)

 

今回取り上げるのは、私の大好きな映画である、

ブレードランナー (Blade Runner)』

です。

公開は1982年(アメリカも日本も)、監督はリドリー・スコット
ただ困ったことに、私はこの映画が好きすぎて書きたいことも多すぎて、とてもこのブログに収まるとは思えません。
(今も分厚いメイキング本を読んでいます)
なんとか縮めて書いてみます。

 

 

 

近未来のLAを舞台にした、SFの世界にフィルム・ノワールを持ち込んだ映画が『ブレードランナー』です。
SF文学にハードボイルドの文体を持ち込んだウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』とやり方は同じで、時期的にも近くて『ブレードランナー』のほうが少し先に発表されています。

 

この映画には、SFをハードボイルドにしたのともう一つ特徴があって。
SFで描かれる都市というのは直線と平面で構成されるシンプルで清潔なもの(モダン)だったのに対して、この作品の都市は薄暗くて雑然としていて退廃的なもの(ポストモダン)になっています。
(例えば西新宿の三井ビルや住友ビルがモダン、都庁はポストモダン
これ、画期的だったのです。
ブレードランナー』のセットのデザインは香港のイメージをベースに、歌舞伎町などを足しているそうです。
ニューロマンサー』も同じような世界観で書かれています。
(ギブスンが来日したときに、東京の街をあちこち案内されて楽しんだそうで、それがまた作品に活かされたりしてます)

 

二つの作品が同じやり方をしていたのは偶然で、ギブスンは第一章の「千葉市憂愁(チバシティ・ブルーズ)」を書き上げた頃に『ブレードランナー』を見て、それが自分の思い描いた『ニューロマンサー』の世界観そのままだったので驚いて、途中で映画館を出ていってしまったそうです。
つまり、映画『ブレードランナー』に電脳空間(コンピューターネットワーク)を足してあげれば小説『ニューロマンサー』の世界になるってことですね。
面白い。

 

これらの新しい世界観を持った作品は「サイバーパンク」とカテゴライズされて、1980年代半ばから1990年代にかけてあらゆる分野に波及していきました。
特殊な例としては、ギブスンの『モナリザ・オーヴァドライヴ』が日本未発表の頃に、資生堂の企業文化誌「花椿」に第一章「煙(ザ・スモーク)」の日本語訳が掲載されたりしたんですよ。
SF作品の中の都市が香港のようなアメ横のような秋葉原のような描き方になったのは、この映画がはじまりなのです。

 

 

 

映画の冒頭でちょっとしたトラブルが起きて、物語が動き始めます。
主人公はリック・デッカード(演:ハリソン・フォード)。
デッカードは、人間そっくりのアンドロイドであるレプリカント(この映画の造語)が脱走してしまったときに処分するための、ロス市警所属の「ブレードランナー(この映画の造語)」だったが退職していました。
酸性雨が降りしきるLAの街角で、食事しようと屋台に入るデッカード

ここでの店員(Sushi Master)とのやりとりは、ファンの間では伝説となっています。

 

Sushi Master「空きました、空きました」(席が)

S「いらっしゃい、さあどうぞ」

S「何にしましょうか」(これらは全部日本語で話されている)

Deckard「Give me four.」

S「二つで十分ですよ」

D「No, four: two, two, four.」

S「二つで十分ですよ」

D「And noodles.」

S「分かってくださいよ」

 

なんじゃそりゃ?(笑)
これ、近未来のLAが多国籍な都市ということを表すための演出なんですね。
で、この「二つで十分」とは何なのか、長いこと色々な憶測があったのですけど。
多く聞いたのは、この後に出されるうどんのようなもののことという説です。
(不味そうなんだよなー)
でも「アンド ヌードル」ってことは、うどんは追加した料理ってこと。

 

実はこのシーン、スニークプレビュー(試写)版からカットされた部分があって、それで意味不明になってしまったのです。
そちらの映像を加工したものがこちら。

(左下のグレーの部分は無視してください)
右側はご飯、左側には背びれのある魚が二匹、その下には葉物野菜のようなものがあります。
この魚が何なのか、焼いたのか煮たのか揚げたのかは不明ですけど(不味そう)、どうやらこの魚が「二つ食べれば満腹」ってことらしいのです。
(この未知の丼の模型が発売されたことがあります……もの好きねぇ)

 

※この記事の二つ後ろに書いた「私と映画 6」で、このシーンの追記をしています。

 

 

 

この映画は予算が足りなくなって、スケジュールもキツキツで、それでこういう粗が沢山あるのです。
公開時には人気が出ませんでしたが、アメリカのCATVで繰り返し放送されたことでじわじわと人気が出て、VHSとレンタル店が普及すると更に人気は増し、日本でもSFファンの間で有名な映画となっていきました。
そしてファンは粗を探して喜んだりしたのです。

 

バージョン違いの多いこの映画、最新のものは2007年の「ファイナル・カット」と、2017年の「Ultra HD Blu-ray/IMAX版」(ファイナル・カットに細かい調整がされた)があります。
このファイナル・カットを作るにあたり、粗の多くは修正がなされています。
テレビやレコーダーが高画質・高音質になって、そういう時代でも鑑賞に耐えるようにと多額の予算を使って直されたのですね。

 

 

 

ああっ、もうダメだ。
ここまで書いただけでもかなり長いし、自分的には始まったばかり。
とりあえずここまでにして、またの機会に続きを書くことにします。

 

 


 

 

ちょっと前になか卯の旨辛親子丼のことを書きました。
食べた後にモヤモヤしてしまいましたが、やはりなか卯で食べるなら親子丼(¥450)です。

旨いんだよなぁ。
昔ながらの親子丼と違って玉子は緩めで、ちゃんと三つ葉が乗ってます。
この鶏肉が美味しくてね、食感最高です。
ちょっと少なめかもしれないけど、これがいいのです。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。