寒くなってきました。
寒くて乾燥した気候が好きな私にとっては、これからがハイシーズンです。
逆に初夏になると、これから当分は我慢だということになるのですが。
昔から読書が好きで、小説などを中心に色々読んできました。
雑誌も好きでしたね、ちょっとでも興味があれば買ってました。
だからうちには文庫本、単行本、雑誌やムックなど、沢山の書籍がありました。
でもリーマンショックが来て、急に貧乏になった私は半分以上の書籍を売ってしまいました。
生活のために高く売れるものから売ったから、大事な本から手放した感じです。
当然、悲しかったです。
昔は、こうして集めた書籍を整理して書庫を作るのが夢でした。
2LDKくらいの部屋を借りて、一部屋を書庫にしてしまおうと思っていたのです。
本棚を並べて、きちんと書籍を整理して格納して、読みたいものがすぐに取り出せるようにして。
小さい机と椅子を置いて、電気スタンドを設置して。
本に集中できる環境を自宅に持てたらいいなぁと考えていたのです。
でも書籍が半減してしまい、しかも好きな本のほとんどが無くなり、書庫の夢は消えてなくなりました。
余裕がないから本屋さんには行かなくなり、増えることもありませんでした。
それで数年後に久しぶりに本屋さんに行ってみたら、もう作者もタイトルもよくわからなくなっていて、益々本から遠ざかることに。
しばらくは脱力したような日々でした。
でもいくら考えたところで、本は戻っては来ません。
それであることに気付いたのです。
それは、古いものを沢山持っていて、それで本当に幸せなのだろうか？ ということです。
文化というものは生モノです。
それぞれの時代の空気の中で生まれた作品は、その空気の中で味わうのが一番ということです。
大正時代に書かれた小説を今読むよりは、大正時代に読んだほうがより楽しめることは間違いありません。
それは音楽で考えればより明白になります。
70年代に流行ったフォークソングは好きでしたが、今聴くと違和感はあります。
時代が違うし、今までに多くの音楽を聴いてきた自分の耳も変わっていますから、当然のことです。
それに、好きだからこそ何回も繰り返し聴いていて、新鮮さはなくなっています。
だから、たまに古い曲を聴いていいと思っても、すぐに飽きてしまうのです。
古い文化を否定するのではなく、いいものはいいと思います。
ただ、今を生きているなら今生まれてきた文化を味わうほうが豊かだと私は思うのです。
小説も音楽も映画も、出来立てのホヤホヤが一番いい。
新しい文化、未知の文化を味わいながら生きること、それが今を生きるということに繋がるのではないでしょうか。
カビ臭い、何度も読んだ本よりも、初めて読む本のほうがワクワクします。
それがハズレであったとしても、それはそれ。
古い本を整理して置いておいても、その苦労の割に得られる喜びは小さい。
もしリーマンショックが来なくて、今でも本を買い続けていたら、自宅にある大量の本に振り回されて本の奴隷のようになっていたのではないか。
私はそう考えるようになりました。
リーマンショックは苦労と悲しみを残しましたが、本を処分したことは決して悪いことではないと思うのです。
そして世の中の電子化はどんどん進んでいます。
Spotifyなどの音楽のサブスクはもう常識であり、CDが売れなくなっていることは前に書きました。
電子書籍も売り上げを伸ばしています。
今、CDや書籍などの物を売るお店はどこもピンチです。
かつては物を沢山持つこと＝幸福という考え方がありました。
でも本当にその物に価値がある場合を除いて、電子化できるものを集めて持っていることは既にアナクロなのかも。
ネットに繋がるPCやスマホやタブレットがあれば、それだけで楽しめるような時代がもう来ているのです。
（もちろん、電子化されていない作品はまだまだ多いですけどね）
私の書庫の夢はなくなりました。
書籍の大きさや重さや触感を愛する気持ちは変わっていませんけど、もうPC一台あればそれでいいのかな。
あと数年で貧乏な老後生活が始まります。
家賃を抑えるために、郊外の小さい部屋でミニマルに暮らすことになるでしょう。
その部屋には生活に必要なものと、あとはPC一台だけって形になっているのかもしれません。
でもそれは決して不幸なことではなく、結構楽しいかも。
自分の先のことを、あまりネガティブに考えてもしょうがないですよね。
（近所に図書館があれば尚可（笑））
最近はどこも値上げラッシュで、ファミレスのランチも値上がりしています。
オフィス街で安く食事してまったりできるお店が減っていくのは悲しいです。
給料が上がってくれないとねー。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
