スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。

サトゥルヌスって何者?

年末ですねぇ。
私は今はカレンダー通りの仕事をしていて、今日明日はお休み、月曜から木曜までは仕事で、金曜日から6連休です。
明けて4日から仕事ですが、6・7・8日がまたお休み。
こんなスケジュールが待っている今が一番幸せなのかもしれません(笑)。

 

明日はクリスマスイブですね。
「イブ」というのは「イブニング」、つまり夜のことです。
昔の中東ではユダヤ教が信仰されていて、ユダヤ教では一日は日没と共に終わって夜は次の日という扱いでした。
だから12月24日の夕方に日が沈んだら、そこからがクリスマスだったのです。

 

尤も、キリスト教では当初は誕生日を祝うことはなかったとか。
クリスマスは2世紀から始まったらしいです。
そしてそのお祝いのやり方は、サートゥルナーリア祭がベースになっているそうです
さて、サートゥルナーリアとは何のことなのでしょうか。

 

 

 

いきなりですが、ゴヤといえばスペインの絵画の巨匠です。

Francisco José de Goya y Lucientes

彼には色々なエピソードがあるので、いずれここでも書いてみようと思っています。

 

ゴヤが難病に冒されて聴力を失った後で、マドリード郊外に家を買って家政婦と共に数年間暮らしたとき、その家の中の壁に14枚の絵を描きました。
これらの絵は全体的に暗かったので、「黒い絵」なんて呼ばれています。
この家は後に取り壊されて、黒い絵は全てプラド美術館所蔵となっています。

 

その中の一枚がこれ。

Francisco José de Goya y Lucientes "Saturno devorando a su hijo"

『我が子を食らうサトゥルヌス』という絵です。
凄い迫力ですよね、何やってんだよって感じです。
ゴヤはこの絵に、食べられてしまう子の「死」と同時に「生」を描こうとしたらしく、実はサトゥルヌスの勃起したペニスが描かれていたのですが(グロいなぁ)、後に黒く塗りつぶされてしまったらしいです。
(っつーか、なんで裸?)

 

 

 

サトゥルヌス(Sāturnus(サターン))はローマ神話に登場する神様の一人。
彼は両親から「お前は息子によって滅ぼされる」という予言を聞いておかしくなって、自分の子供たちを食べてしまいます。

 

で、ユピテルJūpiter(ジュピター))が産まれたときに母親がそれを隠し、岩に産着を着せてそれをサトゥルヌスに食べさせて生き延びて(腹壊すぞ)、後に父親を滅ぼしたという。
ギリシャ神話だとユピテルはゼウスですけど物凄い女好きで、自らの姿を変えては女遊びを繰り返した……という話はまたいつか。

 

人間界に追放されたサトゥルヌスは、なぜか急にいい人になっちゃって(笑)。
イタリア半島に降りた彼は、そこにいた人間達に農耕を教えて豊かな世の中を作ったとして崇められました。

 

 

 

古代ローマにおいて紀元前200年くらいの頃に始まったサートゥルナーリア祭は、12月の一週間の間に飲んで食っての大騒ぎをしたものです。
奴隷が主人と同じテーブルに着き、主人が奴隷にお酌をしてやることもあったという。
(国が豊かだと気持ちも優しくなるのでしょうか?)
この一週間というのが長すぎるとして権力者が短くしようとしたところで、ローマ市民が大暴動を起こして失敗したそうです(そんなにまでして?)。

 

この、サートゥルナーリア祭におけるプレゼント交換とかご馳走をみんなで食べる習慣が、そのままクリスマスに引き継がれたと言われています。
大体、イエス・キリストが生きていた時代には誕生日を記録することがなく、イエス・キリストの誕生日も当然不明で、12月25日というのは冬至に関係した日付から決まったらしいです。

 

 

 

ついでに。
上に載せた『我が子を食らうサトゥルヌス』ですけど、日本において戦後に出版された子供向けの図鑑など(「世界妖怪百科」とか)で引用されて、

食人鬼ゴール

と紹介されていたそうです。
ゴールはポルトガルにいる夜行性の妖怪で、身長5m、お金持ちを好んで食べたとされていますが、全部デタラメです。
昔の子供向けの出版物では、かなりいい加減なことが書いてあったのですよ。
この絵に関してはパブリックドメインなので、法的な問題はないそうです。

 

 

 

クリスマスをネタに思い付くことを書いてみました。
支離滅裂なんだけどご容赦ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。