スプーキーじいさんって何考えてるの!?

貧乏・暇なし・不健康。一人暮らしのじいさんのブログです。このブログに広告とか金儲けは入っていません。

私は暴力礼賛に反対します

私は仕事の切り替えの都合で今日までお休みです。

こんなものを作って食べています

普段は週イチで更新しているブログも、お休みだから連続して更新できているのです。
読むほうは大変かもしれませんが、ブログを書くのって楽しいのだからしょうがない。
連休最終日も更新させていただきます。

 

 


 

 

今日のテーマは、

日本人は暴力が好き

ということです。
おそらくこれを読んでいる人の多くは、

「はぁ? そんなワケないでしょ!」

と思うでしょうね。
説明しましょう。

 

例として。
ちょっと前に大ヒットしたテレビアニメ『SPY×FAMILY』の第四話、名門校の受験の面接のシーン。
心無い人物の嫌がらせみたいな言葉に、小さいアーニャが泣き出してしまいます。
すると義理の母親のヨルが、殺意むき出しで手を出しそうになります。
そして主人公のロイドは、「蚊がいましたもので」と拳でテーブルを粉砕します。
三人は面接をやめて退室し、その後でヘンリー先生はその心無い人物を殴り倒します。

 

心無い人物が許せないのはよくわかります。
ただ、こういう場面で暴力は最も選択してはいけない手段です。
常識ですね。
暴力以外の手段でどうにかするしかないのです、現実世界では。
なのに、この作品の中では登場人物の内の三人が、暴力を選択(未遂も含めて)してしまうのです。
この作品の中では、多くの問題は暴力によって解決されています。
このシーンで泣いていたアーニャも、別の回では同級生を殴っています。
そしてその作品が人気なのですよ。

 

日本のテレビでは、多くの番組で暴力を称賛しています。

「暴力で勝った者が偉い」

そういう番組が多数あります。
アンパンマン』から始まり、『仮面ライダー』や『ウルトラマン』、刑事モノや学園モノ、時代劇、いくらでもあります。
(暴れている怪獣を暴力で倒すのはしょうがないとしても)
もちろん、それぞれの作品には深い意味が込められてはいますが、みんながみんなそういうテーマをきちんと受け取っているかと言えば疑問です。
それより、暴力シーンの楽しさに浸るほうが先なのではないですか。

 

それから、ニュース番組ではリアルな暴行シーンのVTRをよく流します。
怒鳴り声、叫び声なども、そのまま流しています。
ご存知でしょうけど、欧米ではこういった映像や音声は規制されていて、小さい子供から遮断するようになっています。
よくアメリカの映画やドラマで、夫婦が喧嘩しそうになって、子供に見せないようにしてから始めるなんてのもあります。
この違い。

 

数年前にアメリカの映画の祭典で、有名な俳優がMCのコメディアンを殴った事件がありました。
コメディアンが俳優の妻をディスったのが原因と思われてますけど、あれは実は妻が先にコメディアンをディスったのです。
ディスり返しに対して、夫が暴力を振るったことが問題になっているのですが、それは置いておいて。
日本では、この俳優を支持する声が多かったのは記憶に新しいところです。

「自分の家族がバカにされたら、殴るくらいはする」

私はそういう声をネットで多数見ましたよ。
アメリカでは暴力はダメという声が多数で、それはコメディアンの発言内容よりも重要なことなのです。

 

私が以前、あるインド料理店で食事をしていたときのことです。
店内のテレビで日本の映画が流れていて、その中で暴行シーンが始まったとき。
近くに座っていた白人の家族の父親が何かを言って、子供達が一斉に下を向くということがありました。
言葉は聞き取れませんでしたが、おそらく「見るな」と言ったのでしょう。
やはりこれが、あちらの常識なのでしょうね。

 

「作り事の世界なのだから構わない」

「架空の世界の中の暴力を見て憂さ晴らしをすれば、現実の世界での暴力を抑止できる」

本当にそうでしょうか?
例えば、少女に興奮する所謂ロリコンという人達が、いかがわしい画像や映像だけで満足して、現実の世界で事件を起こさないとでも?
そりゃ、普段から暴力を求めて鼻息を荒くしている人はそんなにいないでしょう。
でも追い詰められた場面ではどうですか。
カッとなって手や足が出るのではないですか。
それは、心の奥底にまで暴力による快感が浸透しているからですよ。
物心付く頃からずーっと、テレビやマンガなどで暴力による解決を見続けていて、それを気持ちいいと思い続けているのですから。

 

何かに浸っている人が、そういう自分のことを客観視することは中々難しいことです。
そして「暴力はいけない」という知識はあるので、他人から「暴力が好きだろ?」と言われると否定したくなるのです。
でも本当に、本当にそうでしょうか?

 

イジメとか、パワハラとか、DVとか、虐待とか、珍しいことではないですよね。
混雑する駅の通路で肩がぶつかったとかで、つかみ合いになっている人達を時々見ます。
ぶつかった理由が何であれ、お互いがさっと謝れば済む話だし、そうするのが常識です。
ところが、現実の世界ではまず暴力です。
全員がそうではないとしても、日本人の多くは暴力が好きなのです。

 

私は『SPY×FAMILY』を見ていて、自分の中に暴力が好きな気持ちがあることを自覚しました。
ロイド達が悪い奴らを暴力でやっつけるのを見ていて、楽しいからです。
暴力で解決する手っ取り早さ、爽快感が好きです。
子供の頃からずーっとそういう作品を見続けてきて、染み付いていることがわかります。
現実に暴力を振るったりなんてしませんけど、もしかしたらいつかしてしまうかもしれません。

 

最近になってやっとコンプライアンスなどが議論されるようになり、メディアも自主規制をしたり、間違ったモノが炎上したりするようになりました。
性差別だって、騒がれるようになってやっと自分の言動の間違いに気付いた人は多いのではないですか。
でもまだ、暴力は野放し。
「暴力はダメ」ということももっと議論して、メディアの規制も自主的に行われるようになるといいと思います。
心の奥底まで暴力の快感が染み付いている人達は「そんなの寂しい」と言うでしょうけど、例え長い年月をかけても日本人の暴力好きはなくしていくべきだと私は思います。
そしてまず、日本人は自分自身に暴力の快感が染み付いていることを自覚するようにしてほしいです。
そこからですよ。
いつか日本人のほとんどが「暴力なんて怖い、やめてくれ」となる日が来ればいいですね。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。